葬儀の大きなお悩みの一つに「葬儀の手順がわからない」というものがあります。
確かに葬儀は一生のうちにそう何度も経験するものではありません。自分の葬儀は一生に一度、しかも自分が直接関与することはできないですね。家族や親族といっても、年齢や家族形態によって葬儀に喪主あるいは喪主側の主催として手伝うかは大きく変わってきます。
特に葬儀が初めてだと「葬儀ってどうやって始まるの?」「何から手をつけたらいいの?」と慌ててしまうかも。
葬儀の流れはどんなもの?基本形はあるの?そんな葬儀の流れについて優しく解説します。
目次
葬儀の流れは?準備はどうやって進むのか
まず、葬儀は人の死から始まります。とは言っても、人が亡くなった段階で自治体や病院側が準備してくれるわけではありません。
亡くなった人の家族(遺族)が主になって葬儀をとり行います。必ずしも相続人でなければいけないという決まりはなく、喪主も絶対に長男という決まりはありません。
大まかな流れは
- ご臨終
- 搬送(病院や家⇒葬儀場)
- 葬儀の打ち合わせ(お坊さんや自治体への連絡も)
- 枕飾り・納棺
- 通夜
- 葬儀・告別式・出棺
- 火葬・骨上げ
になりますので、この流れを頭の中で整理しておきましょう。
お葬式は死亡の時点で既に始まっている!
人が亡くなるとその瞬間に葬儀が始まると言っても過言ではありません。
病院で亡くなれば医師に「ご臨終です」と死亡を宣告してもらいます。自宅で亡くなった場合は、かかりつけの医師がいれば医師に連絡をします。
元気な人が突然亡くなった場合は警察に連絡し、確認してもらいます。
自宅で亡くなった場合は死因の把握や事件性のあるなしを警察が確認することになっているため、病院で亡くなった場合より死亡の宣告まで時間がかかります。
ご遺体の安置期間で費用も変わる?家族がまずすべきこと
医師に死亡を確認してもらったら、遺族は悲しむ間もなくすぐに葬儀の準備に取り掛からなければいけません。「少し感傷に浸る時間を……」と思うかもしれませんが、ここでスタートダッシュをしていないと大きな問題があるのです。
それは、葬儀場と火葬場の予定が埋まってしまうという問題です。特に葬儀場の少ない地域ではすぐに予約で埋まってしまい、なかなか予約が取れません。基本的に葬儀場も火葬場も先着順、早い者勝ちです。
家族の死に心を痛めるのは後回し、まずは猛ダッシュで予約を取りましょう。
亡くなった方の遺体をどのくらいの期間安置してもらうかで料金が変わって来ることが多いです。翌日、翌々日とスムーズに葬儀ができれば安置にかかる費用は少なくなります。
「予定が一杯で」となると、火葬の終了まで時間がかかります。その分だけ費用がかさむことになりますので要注意です。
なお、病院側から葬儀屋の紹介があることもあります。必ずしも紹介のあった葬儀屋を使う必要はありません。自分たちで葬儀屋を決めてしまってOKです。
火葬も急いで予約!遺族と喪主で連絡を取りながら相談
葬儀会社を決めて予約を取ったら、即打ち合わせに入ります。
この予約と同時に勤め先に連絡しておくのがいいですね。どうしてもお葬式の主催側になると数日は葬儀にかかりきりになりますので、お休みの申請をしておいてください。
また、この段階で「予定はまだきちんと詰めていませんが家族が亡くなりまして」「葬儀の日取りは決まり次第また連絡します」と言っておくと、会社の方でも花輪やご霊前の準備がスムーズに進みます。
お坊さんにも葬儀場の予約と同時に連絡しておきましょう。特にどこのお寺の檀家でもないという場合は、葬儀場の方に相談してお坊さんを紹介してもらうのもいいですよ。
また、葬儀会社で葬儀の予約を取ると同時に、自治体の役場に死亡診断書を持って行って火葬の予約を取ります。
基本的に葬儀場の予約を取れば自動的に火葬場の予約も取れるわけではありません。火葬場は火葬場で予約を取る必要がありますので要注意です。
遺族が数人いるなら、スマートフォンで連絡を取り合いながら、
「火葬場は〇月〇日の〇時に最短の空きがあるって!」
「葬儀場は〇月〇日に空きがある!」
と、葬儀場と役場の予定を聞きながらその場で電話会議をしてしまうと効率的に進みます。
なお、役場はほとんどの自治体が夜間窓口を設置していますので、夜間でも死亡診断書を提出して手続きをすることが可能です。
故人を安置して必要な各所へも連絡を
葬儀の打ち合わせの後、病院や自宅から搬送したご遺体を綺麗にし、枕を整えます。皆さんがお葬式に招かれた時、ご遺体はきっちりお布団に寝ていると思います。葬儀の担当者が整えてくれます。
家族葬などの座敷で行うタイプの場合ですぐに座敷(葬儀場)が使える場合は、すぐにお座敷に安置することもあります。
もし葬儀場が空いていなければ、こちらもほとんどの場合に料金加算となってしまいますが、葬儀までの間、葬儀会社側の専用のお部屋で安置してもらうこともできます。
葬儀の打ち合わせがスムーズに進めば、ご遺体の安置は打ち合わせと同時に行われることもあります。
無事に日程が決まったら、会社や故人の友人縁者へのご連絡をお忘れなく。
通夜から葬儀へ!さらに告別式へ
後は日程通りに葬儀をとり行うだけです。通夜、葬儀、告別式と続き、火葬をして故人とのお別れです。
葬儀は突発的に起こることですから、全てがぶっつけ本番です。思わぬアクシデントが発生することもありますが、葬儀にちょっとしたアクシデントはつきものと考えて、経験豊富な葬儀屋スタッフに助けてもらってください。
ちょっとした備品の欠如などは葬儀場側で対応してくれることも多いですから、特に喪主はドン!と構えていてくださいね。
葬儀が滞りなく終わったら、今度は相続手続きや、「家族が亡くなったのだな」という心の整理の時間です。
お礼状や喪中ハガキが必要な場合はどうするの?
葬儀後に、葬儀に来てくださったことへの御礼状を発送します。必ずではありませんが、記帳の住所や氏名を確認して、今後のお付き合いを考えた上で礼を尽くすことも大切です。
また、年賀状のシーズンが近いとすぐに喪中はがきの準備も必要ですね。葬儀場でハガキやお礼状の相談にも乗ってくれることがあります。必要であれば確認しておきましょう。
法要の順番は地方による?僧侶にお布施をまとめて渡すことも
一通りの葬儀の流れを見て来ました。
これは基本の流れで、地方によって順番が前後することもあります。また、同時に行われることもあります。
火葬の後に葬儀場や自宅に戻って故人の思い出を語りながら参列者で一杯やるという地方もあります。葬儀から四十九日の法要まで一日で一気に終わらせるという葬儀形態も可能で、実際に行われています。
この場合はお坊さんに葬儀から四十九日までのお布施をまとめてお渡しすることになります。
式の規模も大会場からお座敷で行う小規模な葬儀である家族葬まで色々あります。
家族が亡くなっていきなりばたばたと準備をするのではなく、事前に自分の住んでいる地域の葬儀屋や葬儀場、それぞれの料金などをチェックしておくのがいいですね。
葬儀場によって葬儀会場の大きさや数も違ってきますので、そのあたりもきっちり確認しておきたいところです。
呼ばれる側も流れが重要!情報は地元の葬儀屋へ確認
葬式に呼ばれた側はどんな流れで臨めばいいのでしょう?
基本的に葬儀の準備は喪主側と葬儀場側で行いますので、特に声をかけられなければ手伝いに行く必要はありません。ただし、故人との縁の深さにより、物品の用意が必要になることがあります。
故人の貢献が大きい会社などの団体であれば葬儀場に花輪を送る、親友や親族であれば同じく花輪や香炉などを送るということがあります。
このように物品を送る場合は、葬儀の日程を連絡してもらったと同時に即動きましょう。葬儀が行われる地域の葬儀会社または葬儀場に連絡し、物品はどんなものが良いか相談しつつ、手配をします。
葬儀は地方によっても微妙に異なることがありますので、呼ばれた段階で確認しておければいいですね。
早めに手配しないと間に合わないことがありますので注意してください。葬儀の場合、主催側も呼ばれる側も、準備にはとにかくスピードが求められます。
まとめ
葬儀の大体の流れについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。
家族を亡くしてすぐにスピード対応を求められるため、葬儀はとても大変です。突発的という面でも大変ですね。
流れを大体頭に入れておくと、葬儀場の担当とスムーズに連携が取れますので、その分だけアクシデントも少なくなります。
死は誰に身にも何時か訪れることです。その時に慌てないように、日頃から知識を頭に入れておきたいですね。