喪中の時にはどうすれば良いの?喪中の期間の正しい過ごし方

喪中とは家族の死を悼み、故人を想い、喪に服す期間のことをいいます。

「喪中ですのでお祝い事は控えます」
「喪中なので年賀状は」

という会話は生活の中でよく耳にするところです。

そんな喪中にはマナーとしてのタブーなどはあるのでしょうか?

年賀状は駄目という話は知っているけれど特に他はよくわからない。まだ喪中を経験したことがない。経験したけどやっぱりよくわからない。そんな皆さんのために正しい喪中について簡単に解説させていただきます。「正しい」といっても、別にそんなに難しいことではありませんから安心してください。

「喪中」は忌中とは違うの?喪中の期間は?基礎知識

喪中という言葉の他によく耳にする「忌中」という言葉。これって何なのでしょう。喪中と同じ意味で使われているのか、それとも喪中の中でも特に何かを指す言葉なのかよくわからないという声を耳にします。

実は「喪中」と「忌中」はまったく別のもの。

喪中」は親族や家族などの親しい人の死に際し、故人を悼み自分自身の心を整理する期間です。

喪中の期間は喪に服し、お祝い事への参加やお祝いを述べるのは避ける傾向にあります。

「今はまだ悲しみから抜け出せていないのです」「心の整理がつかないのでお祝いは」という期間のことです。

ただし、控えるのが基本といってもお祝い事の延期は現代において難しいですから、喪中でも絶対にお祝い事に参加してはいけないということではありません。

親しさの度合いによっても変わってきます。一般的に喪中の期間は一年になります。

対して「忌中」は「心を癒す」「悼む」ということではなく、死を穢れとして扱う神道の考えに則って、四十九日の忌明けまではお祝い事や神聖な場所への参拝をしないばかりか、基本的に穢れの期間が終わるまで自宅でひっそり過ごすというものです。

このように喪中と忌中は違ったものです。期間や根本的な考え方も違っていますので、喪中のマナーを考える上では覚えておきたい知識です。

では喪中は何をすればいいの?喪中の決まりとは

では、そんな喪中には何をすべきなのでしょう。また、何をしてはいけないのでしょう。

喪中だからといって「絶対にこれは駄目!」という決まりはありません

確かに気にする方はとても気にするのですが、あくまで喪中というのは近しい親族を失った家族が静かに亡くした家族を想い、心を癒す期間です。それなのに他人が「こうするべき!」と押し付けてしまうのは、かえって傷ついた心に負担をかけてしまうことかもしれません。

一般的に喪中はお祝い事や、お祝いを述べることは控える期間と考えられています。

喪中はがきなどを用意するのは、慶びの言葉を伝えることを控えるという意味合いからであり、お祝い事を述べることを避けるという意味合いでもあるようです。

しかし、祝福すべき行事が喪中にあったとしても、近年の事情ではなかなかずらすことも難しいため、そのまま行うということも多いですし、お祝いを事述べることも事情によっては通常通り行われています。

あくまで「大体、喪中はこんな感じだよ」という目安はありますが、絶対的な決まりはありません。なぜなら、心を癒して亡き人を想う期間ですものね。人それぞれという感じです。

ですが、どうしても地域行事な他家のお祝い事であれば、他の人が気にしないか気になるものです。

そんな時はそっと地域のお年寄りや、葬儀屋さんなどにお伺いを立ててみましょう。そうすれば「うちの地域はこんなふうにしているよ」という気になるところを教えてくれます。

なぜ喪中はお祝い事を避けた方がいいの?

一般的には、

  1. お祝い事を避ける
  2. お祝いを述べることを避ける
  3. 晴れやかな席は遠慮する

などが喪中の過ごし方と言われます。

ただしこれは絶対ではなく、世情や事情に合わせて緩和されていると覚えておきましょう。

相手が喪中だからと積極的にお祝いの席に誘うことを避けるという心遣いは悪いことではありません。

ですが、相手がどうしても祝いたいと望んでくれている場合は「喪中だから来ないで」「喪中だから行ってはいけない」「喪中だからダメ」というわけではないということです。

お祝い事を避けなければいけないのではなく、悼みの期間だから配慮をし、ケースバイケースという感じです。
新年会だけでなく、心の悼みの深さから慰労会や普通の飲み会も遠慮するという思考の人もいれば、四十九日も明けて何時までもくよくよしていたら故人に天国で笑われると、積極的に外に出ようと考える人もいます。

親しい人に対しては喪中の考え方について常日頃から窺っておくのが一番です。

なお、一般的な行事に関しては、喪中は一般的に一年ですから、「一般的」という理由で控えても差し支えありません。親しさの度合いについても変わってきますので、やはりケースバイケースです。

絶対に喪中はがきを使わなければマナー違反なの?

また、喪中であれば絶対に喪中はがきで挨拶をしなければならないのかというと、そういうわけではありません。

確かに喪中はがきを十月ころに用意して「今年は親族が亡くなりましたので新年の挨拶を控えさせていただきます」と伝えることは、相手に年賀状を投函させないという意味ではとても親切なことです。しかし、これは絶対にしなければならないというわけではありません。

喪中にも寒中見舞いや普通の手紙をしたためることはマナー違反ではありませんから、暑気のお見舞いを申し上げると共に「今年は新年の挨拶は控えますが、どうぞ来年も健やかにお過ごしください。

またお便りを差し上げたいと存じます」と、文章で相手に連絡をすることももちろんいけないことではありません。また、親しい間柄であれば、近況を尋ねると共に電話をかけてしまうことも、悪いことではないです。

ただし、礼儀に厳しい人や、仕事での間柄の人、遠縁の親族などに対しては、やはり喪中はがきを使うことは一般的な方法ですから、なるべくはがきを使うのが無難かもしれません。

最後に

あくまでも喪中は「心」のための期間です。

控えるというところもそこから来ているわけですから、厳しく考えず、第一に自分の気持ち、そして故人との思い出とひそやかに向き合ってみるのはいかがでしょうか。

また、喪中の人を誘う時や挨拶をする時は、その人との関係を考えて、ビジネスライクな間柄や遠い間柄であれば喪中はがきなどの一般的な方法を選択し、親しい間柄であればケースバイケースで対応することがポイントになります。

心の期間だからこそ、何が相手の喪中の平穏さに繋がるかをよく考えて行動したいものです。また、喪中だからこそ、相手がどう思うか考えて行動したいですね。難しいけれど、大切なことではないでしょうか。