人の生き死にはどうしても予測がつかないものです。
どれだけ仲のいい友人や家族間であっても、死はまったく予想のつかないことではないでしょうか。葬儀に関する準備は、事前にできることが限られています。
また、事前に自分たちの都合の良い日を指定することは、人の死という突発的な出来事の都合上、不可能に近いです。いざ葬儀の準備を進めなければならないとなってから「大変だ!」と大慌てすることがとても多いのです。
大慌てする要因の一つに「葬儀費用」があります。皆さんの気になるポイントである費用について、大慌てをする前に基本をおさえてしまいましょう!
目次
葬式にはどれくらいの金額が必要?相場とは
人の死は予想できないものです。だからこそ、葬儀は急にしなければならなくなり、準備も含めて大慌てということが珍しくありません。
特に大慌ての原因になるのが葬儀費用ではないでしょうか。葬儀費用はまとまった額を一括で支払いということが多く、しかも葬儀の規模に比例して高額になります。
きちんと準備ができていればいいですが、生活費や教育費、住宅ローンなどを優先してしまうご家庭が多いため、急な葬儀費用の工面が大きな問題になります。
いざ準備しようとしても、どのくらい準備すればいいのか、どんな方法があるのかがわからないと、準備のしようがありませんよね。まずは葬儀の相場からおさらいしてみましょう。
料金の平均は〇〇〇万円!?
一般財団法人日本消費者協会の調査によると、葬儀の費用は一件あたりの平均が約189万円となっています。
内訳の中で額が大きいのは、お坊さんへのお布施(戒名代含む)と飲食代です。二つを合計すると、大体189万円のうちの約80万円を占めてしまうというウェイトの大きさ!実際の葬儀一式にかかる費用は約122万円となっています。
もちろんそれぞれの葬儀で規模やお坊さんへのお布施の額、飲食代が異なるため、一概にこの額が絶対に必要というわけではありません。
しかし、葬儀費用は一定の大きな額が必要になるということは覚えておく必要があるのではないでしょうか。
最近よく聞く家族葬プランでも高額が必要なの?
約189万円という金額はあくまで大きなお葬式だけのことではないかと考える方もいるかもしれません。
最近よく耳にする火葬場だけのプランや家族葬プランではもっと費用を削減できるのでは?と首を傾げる方もいらっしゃるかもしれないですね。
しかしお葬式は、同じ規模であってもオプションによってまったく金額が異なってくるのです。
例えば、家族葬30万円というプランでお願いをしたとします。一見して30万円で全てが終わるように思えますが、実際はこの基本的なプランにオプションを追加していくことになり、追加する度にオプション料金が加算されることが珍しくありません。
例えば、
- お花の追加をする
- 棺をグレードアップする
- 飲食料金は別料金としてオプション
- お酒の本数を増やしたり、料理をグレードアップしたりする
などは基本料金のうちではなく、オプションとして設定されていることも多いです。
「お花はもっと多くしてください」「お酒を追加してください」などの要望をどんどん出していくと、基本料金へのオプション料金加算によって費用が跳ね上がることが考えられます。
また、葬儀に足りない備品を用意してもらえば、追加料金の対象になることもあります。家族葬プラン30万円で設定してあっても、基本的に設定料金だけで葬儀が済むということはあまり考えられません。
こういった色々なオプションを追加していったら、最終的に大会場を借りてお葬式をする料金とほとんど変わらなかったということもあるのです。
葬儀の料金でトラブルにならないよう、また、葬儀という突発的な費用捻出に困らないよう、事前にできるだけ準備をしておくことが望ましいと言えます。
家族のお葬式はいくら?事前準備には見積もりを活用!
調査結果による葬儀費用の平均は約189万円でした。しかしこれはあくまで調査対象になったお葬式の費用平均であり、全てのお宅に当てはまるわけではありません。
有名芸能人の大規模な葬儀と、故人が「家族と友人だけでひっそり葬儀をして欲しい」と言い残した場合の葬儀では、金額に大きな差が出ることになります。費用を事前になるべく用意するために、オーダーメイドな数字を算出することはできないのでしょうか。
実は、できるのです。
葬儀場はいざお葬式という時にしか入られないように思われがちですが、実際はそうではありません。
お葬式があるかもしれないという段階で相談に行ってもまったく問題ないのです。葬儀場の担当さんにお願いすると希望に合わせて見積もりを出してくれる他、宗派に合わせて葬儀の手順や地方それぞれのマナーなども教えてもらえるのです。
さすがにいざ葬儀という前では1円単位まで詳細な見積もりを出すことは難しいですが、自分、そして自分の家族が希望するお葬式内容に合わせて大まかな見積もりを出してもらうことは可能です。見積金額を大体の目安に、資金計画を立てるのがいいですね。
保険の活用も重要!いざという時の資金計画
見積もりで大体の目安をつけたとして、では、実際にどんな方法で葬儀費用を準備したらいいのでしょう。方法はいくつかあります。
- 貯金する
- 保険を活用する
- メモリアルローンの活用
貯金は、葬儀費用のために定期預金などを準備する方法です。銀行や信用金庫では毎月積み立て方式で預金できるサービスもありますので、こつこつ自分で貯める方法として活用することができます。
ただしこの方法のデメリットは、どうしても根気が必要だということです。預金しようにも根気が続かないと貯まりませんし、教育費や生活費の後回しにしていても、やはり葬儀費用として一定額を用意することは難しいと言えるでしょう。
そんな人には強制的に保険料が天引きされる葬儀費用準備用の保険がお勧めです。
よくあるタイプの葬儀費用捻出のための保険は口数で契約し、契約口数に応じて保険料が口座から引き落としされます。口数と期間によって一定額を準備することができますので「自分で貯蓄するのは難しそう」という方は保険を検討してみるのもいいですね。
他の方法としては、銀行や信用金庫で取り扱っているローンを活用するという方法があります。実際、葬儀費用の工面のためにローンの申し込みをする人はとても多いです。
金融機関では葬儀用のメモリアルローンの他に、急な資金工面のために使えるカードローンやフリーローンが用意されています。早ければ即日融資も可能ですので、どうしても資金の用意ができなければ、こういった金融サービスの活用も検討したいところです。
ただ、ローンはどうしても金利の問題があります。100万円借りたら、100万円に加えて金利分を合わせて返済しなければならないため、高上りになってしまいます。急な資金工面に使える方法ではあるのですが、この点はよく注意しておきましょう。
地域によってはお助け制度あり!自治体から給付金?
葬儀費用の準備方法としては、他に地域の制度を利用する方法があります。
自治体によって手続き方法や金額は異なるのですが、葬儀に際しては自治体から給付金が出る場合が多いのです。相続人である必要はなく、葬儀をあげた人が給付の対象になるということがほとんどです。自分の住んでいる地域ではどんな給付金の制度があるのかを、資金計画の一環として確認しておくといいですね。
まとめ
一般財団法人日本消費者協会の調査によると、葬儀費用は大体189万円は必要とのこと。
しかしこれはあくまで対象件数のデータであって、それぞれのお家が「こんな葬式をしたい」という希望を詰めていけば、費用はがらりと変わることになります。
葬式場は事前に見学や見積もりのお願いも可能ですので、いざという時に困らないように事前相談や見積もりを活用してみてください。
また、見積もりを取得したら、葬式はある程度の出費は必要になるのだと、事前になるべく準備していくことが重要です。その際は、自治体側の制度のチェックもお忘れなく!