皆さんは、年に何回お墓参りに行かれますか?
お盆の時期に1回、あるいはお盆と春秋のお彼岸合わせて3回、人によっては毎月行くという方もいらっしゃるでしょう。
それでは、お墓参りの際に持参するお花はどのようにされていますか?
どんなお花が適しているのか、またその考え方や値段の目安についてご紹介します。
目次
何でもOK?基本の考え方
お墓参りに持参するお花は、これでなくてはならないという決まりは基本的にはありません。
故人が好きだったお花を買い求めたり、自宅のお庭で育てていたお花を持参したりなど、その入手方法も自由です。
ただし、これはあくまでも基本の考え方であり、注意した方が良い点もいくつかあります。
「自由だけれども、ちょっと配慮が必要」と考えて頂ければ分かりやすいでしょう。
避けたほうがいいとされるお花とは
お墓というのは、通常お隣に別の家のお墓があり、また墓地の管理は運営者が行っています。
そのため、まずは周囲に迷惑をかけないようにしなければなりません。
お墓参りに持参しない方がいいとされるお花は、「毒があるお花」「とげがあるお花」「香りが強すぎるお花」「つるがあるお花」です。
お墓にお供えしたお花は、墓地によっては運営者が後始末することもあります。毒があるお花は身体に悪影響を及ぼしますし、とげがあるお花はケガをする恐れがあります。
毒があるとされるスイセンやスズランやヒガンバナ、とげがあるバラやアザミは避けた方がいいでしょう。
香りが強すぎるお花は、体調によっては人の気分を悪くする可能性がありますし、虫が寄ってきやすいため避けるようにします。バラやユリがこれに該当します。
特にユリは花粉が墓石や洋服に付着するとシミになって取れなくなることからも注意が必要です。
つるがあるお花は、お墓に巻き付いてしまったり、繁殖力の強さから時にはお隣のお墓にまで侵入してしまいます。アサガオやクレマチスは向いていないといえるでしょう。ただ、故人が好きだったお花がこれらに含まれている場合は少し手を加えるなどすれば、お供えしてもいいかもしれません。
バラであればお花屋さんにとげをとってもらう、ユリならば花粉を落としてもらい、お墓参りが済んだら持ち帰るなどしてはいかがでしょうか。
向いているとされるお花とは
では逆に、お墓参りに向いているとされるお花とはどのようなものでしょうか。一般的なものは、菊や小菊、りんどう、グラジオラス、カーネーションなどです。
中でも菊は邪気を払うとされ葬儀の供花にも使用されるなど、仏花としては最適です。
また、虫が寄ってきにくい、長持ちするという点も重宝される理由です。菊が好みでなければ、もちろんほかの種類でも構いません。
また、色ですがあまり地味にならないよう、また派手にならないように、爽やかで明るい感じにするといいでしょう。白、赤、黄色、紫、ピンクが好まれます。
3色であれば白、黄色、紫を選ぶとよいでしょう。ただし、49日までは控えめにした方がいいということから、白のみ、または白を基調とした色合いにすることが推奨されています。
ボリュームと予算
お花を購入もしくは自宅から持参する際、どのくらいの量を用意すればよいでしょうか。
基本的に奇数の本数(3本、5本、7本)が良いとされています。
花立1対(宗派によっては左側の花立のみ)に挿しますが、お墓の花立はあまり大きなものではありませんので、入りきる分だけを持参します。
このことから、費用もさほどかからないでしょう。お墓参りの時期になると、仏花としておおよそ1本あたり300円~800円程度で売られていますので、2本(1対分)購入します。
内容によってはもう少し必要になりますが、お花屋さんに予算や好みを伝えて作ってもらうこともできますので利用する価値はあるでしょう。
造花でも良いの?
地方によっては生花ではなく造花が推奨されるところもあります。
傷まない、散らない、無臭であるなどの利点があり、近年は造花を供える人も増えていると聞きます。ただ、地域の慣習として広く一般化していない場合はやはり注意が必要です。
生花を供えることには「命があるものはいつかみな枯れる」つまり人の世は無常であり、はかないものであるから今ある命を大切に生きよという教えが込められているからです。
便利さや効率の追求も良いですが、古くから伝わる慣習にはそれぞれ意味がありますので、その点は配慮しましょう。
その他の注意点
基本的にはどのようなお花でも良いと前述しましたが、配慮すべき点がもう一つあります。
それは「世間知らず」「非常識」と思われないようにするということです。
自分の家のお墓で、かつ自分がお墓の承継者であるならば、あまり気にする必要なないかもしれませんが、配偶者の家のお墓、友人のお墓などでは自分のやり方を無理に通さず、その家の慣習に合わせることが大切です。
また、自分の家のお墓であっても、親戚が多く集まっての法要などでは、年配の親戚に合わせるなどして自分だけが浮かないようにすると良いでしょう。
「この人非常識だわ」を思われてしまっては、お墓にいるご先祖さまにも申し訳が立ちませんよね。
お花を供える前に
以上、お花の選び方についてさまざまの角度から述べてきましたが、お花を供える前には必ずお墓の掃除をしましょう。
花立に前回のお花が枯れたまま残っていては、せっかく持参したお花が台無しです。
柔らかいスポンジやタオルで汚れを取ったら乾いたタオルで優しくから拭きするとコケが生えにくくなります。
周囲の草むしりもしてすっきりキレイな状態でお花をお供えしましょう。掃除で出たごみはなるべく持ち帰るようにすると気持ちが良いですね。
まとめ
お墓に供えるお花は基本的に何でもいいというのは、どうでもいいということではありません。
お供えをする気持ち、ご先祖さまに感謝してお参りする気持ちがあれば何でもいいということなのです。故人はこのようなお花が好きだったなと思い出し、故人との日々に思いを馳せること、それが大切なのではないでしょうか。今度のお彼岸やお盆には、ぜひ心を込めてお花を選んでみて下さい。