葬儀後の流れは?あいさつ回りから遺品の整理・形見分けまで

誰かが亡くなる。

それは、誰かの人生に幕が下ろされたという意味でも、家族に与える影響という意味でもとても大きなものです。

家族は大切な人を亡くしたわけですから、心の動きという意味でもとても大切なことであり、同時にとても大変なことではないでしょうか。

しかし日本において「誰かが亡くなる」ということは、どうしても「慌ただしい」ということとイコールです。

葬儀に手続き!遺品整理!もう訳がわからない!

心と体がパンクしてしまうことがないように、葬儀後の流れは簡単に覚えておきましょう。

葬儀後の流れは「挨拶」「手続き」「整理」「行事」のポイントで

人が亡くなると、一般的にお葬式が行なわれます。

最近は火葬場にて読経のみで終了という形態や、お葬式といっても身内だけでひっそりおこなうことも多くなり、必ずしもお葬式といえば大会場を借り切っての盛大なものということもなくなりました。

しかし、誰かが亡くなればそれに伴ってしなければならないことは、何もお葬式だけではありません。

お葬式の他にもしなければいけないことがたくさんありますし、お葬式後にすぐにしなければいけないことや、一定期間を置いてしなければいけないことなど、様々です。混乱してしまいそうですよね。

全てを合わせて覚えようとするから混乱に繋がります。

ここでは簡単に、

  1. 挨拶
  2. 手続き
  3. 整理
  4. 行事

の四つのポイントに絞って解説します。

葬儀後の流れでおさえておきたい挨拶

葬儀後はまず故人の友人やお世話になった恩人、葬儀に列席してくださった方々に挨拶状を出します。

気をつけなければいけないのは、家族葬などの比較的小規模な葬式形態を選択した場合です。家族葬を選択しても別に密葬というわけではないので、お客さんが手を合わせに来ることがあります。

比較的小規模の葬儀の場合は「ほぼ親族しか出席しないから」と芳名録を用意しないことがあります。故人を悼んでくださった方には、なるべく親族としてはきちんとお礼を申し上げたいところ。

「あ、忘れていた!」

がないように、忘れずに住所を記載してもらいましょう。

もし住所の記載が叶わない場合は、電話番号などを教えてもらい、後日、葬儀の慌ただしさが落ち着いてからお礼を申し上げるようにするのがいいでしょう。

挨拶状(お礼状)は必ず出さなければいけないというわけではありません。親族しか出席していない葬儀では、後日で電話だけで済ますこともあります。

葬儀店ではこういった挨拶についても相談に乗ってくれますので、式の規模や出席する人を考えた上で相談して流れを決めるのがいいですね。流れを決めた上で、式の支払いをする頃にはハガキの依頼などをしておけば、問題ありません。

他に考えておきたい挨拶としては、年末年始の挨拶です。

喪中はがきの用意は意外にぎりぎりだと間に合わないものです。

なぜかというと、喪中はがきをのんびり用意してしまうと、年賀はがきを既に用意している人の手元に「喪中です」と届いてしまい、「もっと早く教えて!」という話になるからです。

できれば十月には喪中はがきの準備をしたいものです。

葬儀後の流れを手続きから見る!相続や税金など

誰かが亡くなると相続が発生します。

相続が発生すると、預金や不動産などの諸手続きが必要になります。

しかし、預金や不動産の手続きは特に期限が定められていないため、葬儀後に大急ぎでする必要はありません。できれば身辺がしっかり落ち着いてから、ミスなく手続きを進めたいところです。

ですが、中には相続に関する急ぎの手続きもあるため、期限のあるものについては注意が必要です。相続関係の手続きで特に気をつけたいのは、

  1. 遺言書の確認
  2. 相続放棄
  3. 相続税の納税

の三つです。

この三つは相続手続きの中でも注意と急を要するものの代表例です。

遺言書

遺言書がないか確認し、遺言書を見つけたら、遺言書の形態によってはすぐに裁判所で検認という確認作業が必要になります。

遺言書の種類は公正証書遺言自筆証書遺言など、決して一種類ではありません。

この形態の遺言は裁判所ですぐに確認が必要ですという定めが置かれていることもあるため、遺言書を見つけたら早めに法律の専門家に確認してもらうといいでしょう。

また、のんびり構えていられないのが「相続放棄」「相続税の納税」です。この二つの手続きは期限付きで、期限を徒過してしまうと手続きが認められないことがあったり、お叱りがあったりします。

相続放棄

相続放棄は「自己のために相続があったことを知ってから三カ月」が基本的な手続き期間です。

多くの人は家族の相続に対し、自己のために相続があったことを知るのが「ご臨終です」と医師に言われる、まさに家族の死の瞬間ではないでしょうか。

相続放棄は期限が非常に短いため、葬儀後にすぐ動いた方がいい手続きといえます。相続税の納税期間は基本的に十カ月です。相続税の算定は難しいですから、できればこちらについても早めに税理士などの専門家に相談しておくのが望ましいと言えるでしょう。

参照 : http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_17/
参照 : http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/
参照 : https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4205.htm

遺品整理は何時ごろ?葬儀後の流れを見て

葬儀後には遺品整理もしなければいけません。しかし、遺品整理は決して急ぐものではありません。

中には貴重品不動産などの権利書が混ざっている可能性があるため、できれば時間の取れる時に慌てずに進めたいところです。

葬儀などの準備に追われている時にばたばた遺品整理をしてしまったら故人が大切にしていたものまで捨ててしまったり、重要な書類まで捨ててしまったりということになったら大変です。

遺品整理や形見分けに期限はありません。故人を想いながら、物だけでなく心も整理するつもりでするのがいいですね。

賃貸住宅の場合は立ち退きが必要になる関係上、期限が設けられることがあります。

これに関しては管理会社側と話し、何時までに遺品を整理して立ち退きをすればいいのか確認しておく必要があります。

遺品整理を専門にしている業者もありますので、葬儀店などに伝手があるか尋ねるのもいいですね。

四十九日?一周忌?葬儀後の行事は相談を

それから、考えておきたいのは、なんといっても葬儀後の「行事」です。

人が亡くなると葬式だけでは終わらず、信仰や宗派によって一定期間ごとに特定の行事があります。一般的なのはやはり四十九日、百か日、一周忌ではないでしょうか。

四十九日

四十九日は基本的に亡くなってから四十九日目に催します。しかし現在はそれほど厳格な決まりはなく、葬儀の際にセットで四十九日をしてしまうこともあります。

葬儀後の別実にする場合もお坊さんの都合などがあるため、葬儀後の流れに含めて早めに計画を立ててしまうのがいいでしょう。

百か日

百か日は大体百日後、一周忌は一年後に行います。こちらもお坊さんや出席する人の都合もありますから、なるべく早めに、葬儀の流れに沿って決めてしまうのが良いと言えます。

葬儀後に急ぎではありませんが、なるべく早めにしておきたいのは保険金の請求です。

四十九日や一周忌の計画を立てるにはどうしても先立つものが必要です。保険金で葬儀費用の補填や、今後の行事の流れを考える必要があるため、合わせて早めにしておきたいことですね。

最後に

今回ご紹介した葬儀後の流れは、とても簡単かつ一般的なものです。

地域によっては地域特有の行事があることも少なくないため、できれば地域の葬儀店などにしっかり確認しておくことが望ましいといえます。

また、同時に、その行事は必ず行わなければならないのか、お金が必要なら費用の目安はどれくらいなのかもこっそり探りを入れておきましょう。

葬儀と一般的なその後の流れについては把握していて用意もしていたけれど、地域特有の行事は見逃していた!今から準備なんて無理!と慌てないように気をつけたいですね。

誰しも、生まれたなら何時かは死んでしまいます。

自分が死んだ時に家族が苦労しないよう、そして家族の死に際して心に少しでもゆとりをもって対応できるよう、死はまだ自分には関係のないことだと考えずに、覚えておきたいことです。