人が亡くなるということは、亡くなる人にとっても大事です。
また、家族にとっても大事に違いありません。
近年は葬儀の規模も縮小傾向にあり、中には火葬場でお経を読んでもらってからすぐに埋葬し終了というお宅もあります。
仕事をするにしても土日祝日がきっちりお休みという仕事が少なくなり、お店は二十四時間営業。世の中自体が二十四時間常に動いているという時代ですから、葬儀に長い時間をかけることがなかなか難しくなっているという実情があります。
しかし、葬儀は「一人の人生の幕引き」ですから、葬式の形態問わずなるべく礼節も含めきっちり締めくくりたいものです。
けれど家族にとってはとにかく大事、自分の生活と同時並行でこなしていかなければいけません。
だからこそ、いざという時に大慌てしないように、葬儀に必用なことをリストアップしておくことは大切なことなのです。
今回は葬儀後に必要なことを挙げてゆき、皆さんのイメージトレーニングをお助けします。
目次
葬儀後の事は葬儀中に考えておくことが必要
葬儀は規模が大きくなればなるほど、参列する人も多くなります。
また、参列する人が多くなればなるほど物もお金も、そして「葬儀後のこと」も大変になります。
だからこそ、葬儀の最中だからといって「後のことは野となれ山となれ」ではなく、きちんと考え、できれば葬儀中に準備を進めておくことが望ましいといえます。
葬儀中は突発的なアクシデントが起きることもありますから、葬儀後の準備を同時並行で整えるのは大変なことです。
しかし、中には葬儀後に必要になることながら葬儀中に既に着手しておかなければならないことがあるのです。
それは何かというと「住所の確認」です。
なぜ住所の確認?と思いますよね。
まずは葬儀後にしなければならないことをリストアップしてみましょう。
葬儀後にしなければならないことは大きく5つ
葬儀後にしなければいけないことは大きく五つです。
- 次の法要の準備
- 挨拶
- 連絡
- 相続の手続き
- サービスの解約
これだけでは簡略すぎてよくわかりませんよね。順番に詳しく見ていきましょう。
葬儀に呼んでいない人にも故人の死を連絡
まず「連絡」があります。
故人が亡くなったことを縁者に連絡する必要があります。
故人が本などの物を借りっぱなしにしているかもしれません。
故人も天国で「Aさんに本を返していなかったなあ」と気になっているかも。
だからこそ、葬儀には呼んでいない縁者にも故人が亡くなったことを連絡しておきましょう。
葬儀に列席してもらった近しい親族や故人の親友などはもう亡くなったことを知っているわけですから、それ以外の方に電話やはがきで連絡をとっておきましょう。
連絡先は故人がエンディングノートや住所録を整えていればそれを見て発信するのがいいですね。
もしなければ、生前故人に届いた手紙などを確認し、返信先住所に送るのがいいでしょう。
お礼状や喪中はがきの準備をしよう!住所を忘れずに
また、葬儀に列席していない人に連絡を取るとともに、葬儀に列席してくれた人や、葬儀外の時に手を合わせにきてくれた人にお礼をしておきましょう。
お礼は電話ではいけないというわけではありません。
近しい間柄であれば電話で重々お礼を述べるのもいいでしょう。
遠方の人や、普段さほどやり取りのない間柄であれば、はがきや手紙でお礼を述べるといいでしょう。
また、喪中はがきは十二月に準備してしまうと相手の年賀状の準備の方が先に終わってしまっていることが少なくありません。
十月頃であれば既に喪中はがきを準備して送付しても差し支えありませんので、先に先にと早めに準備しておくようにしましょう。
なお、参列してくれた人の住所は、葬儀へ列席する際の芳名帳でチェックします。
芳名帳の記載をきちんとしていないと、誰にお礼状を送っていいかわからなくなってしまうことも少なくありません。
特に家族葬は規模が小さく、場合によっては芳名帳を記載してもらわないということもあります。
ただ、葬儀後にお礼を申し上げるためにも、なるべく記載していただくようお願いした方がよろしいでしょう。
これも大事な葬儀後の準備です。
サービスの解約と次の法要の準備を
葬儀が終わったら、故人のサービスの解約もすぐに行いましょう。
サービスの解約が遅くなるとその分だけサービス利用料を支払わなければいけません。
保険金の請求などと合わせて故人のスマートフォンやインターネットサービスの解約はなるべく早めに済ますようにしましょう。
家族が葬儀中も合わせてある程度の日数の休みを取ることができるなら、葬儀に合わせてこうした解約やお礼状の発送、喪中はがきの手配など、全て済ませてしまうといいでしょう。
他にすぐに済ませておきたいのは次の法要の準備です。
葬儀によっては四十九日まで一日で済ませてしまうこともあります。
しかし家によっては別々にすることも決して少なくありません。
また、四十九日まで終わらせても百か日法要や一周忌がありますので、そちらの準備はしておかなければいけません。
準備は物の手配や列席者への連絡だけではありません。
お金の準備も考えなければいけません。
葬儀は何とか親族の預金で執り行うことができたけれど百か日法要や一周忌を考えると懐が苦しいというお宅もあることでしょう。
そのために保険金があれば早々に請求をするべきですし、もしローンを活用するのであれば、近隣の金融機関のメモリアルローンなどをチェックしておくことが賢明です。
いざという時に「物と人の準備はできているけれどお金の準備はない!」では大変です。
人が亡くなった時にお金の話はやめて欲しいと感じるかもしれません。
しかし葬儀にはまとまったお金が必要です。
続く法要も合わせてお金の話と切り離して考えることは難しいのです。
相続手続きの中には期限があるものも!相続税も期限あり
葬儀後にしなければいけないのは次の法要の準備、挨拶、サービスの解約や保険金の請求だけではありません。
故人の財産の行方を決める相続手続きもしなければいけません。
相続登記や預金の相続手続きは期限が決められていないため、身辺が落ち着いてから手続きをしても差し支えありません。
しかし問題は、期限が決められている手続きです。
相続手続きの中でも相続税の納付、相続放棄、限定承認などは期限が決められています。
期限を伸張することもできるのですが、伸長のためにも手続きが必用になります。
もし借金が多くて相続放棄を考えているなどの理由があれば、早めに動き出すことが必用です。
葬儀場によっては提携している法律家がいますので、一通り話を聞いてもらい、急いだ方がいいのかどうかを判断してもらうといいでしょう。
参照
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_13/
https://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4205.htm
最後に
人の死は誰かの人生の幕引きという意味でも大事ですが残された家族がとても忙しく動き回らなければいけないという意味でも大事です。
だからこそ効率と優先順位を考えて葬儀後に段取りよくこなしてゆく必要があります。
挨拶・喪中はがき・サービスの解約・次の法要の準備・相続手続き。どれも大切なことです。
それぞれの家で優先順位をつけて、家族で手分けしてこなしていきましょう。
もちろん、葬儀会社や法律家に相談し、しなければならないことの中で特に優先順位の高いものを決めてから行うのも良い方法ですよ。