弔問に伺うマナーとは

弔問の時期は、故人との関係や親しさの度合いによっても違ってきます。
喪主との間柄などをふまえて、弔問に伺いましょう。

様々なマナーもルールも地域性や宗教などによって違うため、失礼のない範囲でなるべく自然体で弔問にお伺いしましょう

一番大切なことは、「余計なことは言わない、聞かない」ことです。

遺族は悲しみを抑えて目の前の仕事をこなしていかなかればならないので、弔問客と話すだけでも、とても疲れてしまいます。
弔問は義理ではなく、思いやりと優しさの心から、取り急ぎお伺いするものです。

弔問とは

訃報を聞いて、亡くなられた方のお宅に伺い、遺族の方にお悔やみの言葉を述べることを弔問といいます。
取り急ぎ駆けつけて、お悔やみを述べた後、親しい間柄ならお手伝いできることがないか聞いて手伝います。

喪主は、隣近所の人や友人、職場の人など故人や遺族に関係がある信頼できる人に、取りあえず連絡しているはずです。
お通夜までにしておきたいことがたくさんあるに違いないので、連絡を受けたらお手伝いをする心づもりで伺いましょう。

また、その際、葬儀一切を取り仕切る世話役や、会計や受付、進行係、僧侶の接待係などを頼まれても引き受ける覚悟をしておきましょう。

訃報を聞いた時

訃報を聞いたときにすぐに弔問に駆け付けた方がよいか迷ってしまいますが、遺族は近しい親戚や近隣にまず訃報を知らせ、助けを求めているはずなので、お通夜の時間や葬儀の時間の連絡が入れば、そのどちらかに出席して下さいという意味と解釈すればよいでしょう。

念のため「何かお手伝いさせていただくことはありませんか」と尋ね、「お気持ちだけで」と言われたなら、手が足りているということです。
それほど親しくもないのに急いで伺うのも、かえって迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。

・訃報は突然のことなので気持ちが動転してしまいがちですが、次の様なことをきちんとメモをしておきましょう。

①亡くなった方の名前、喪主との続き柄(夫の○○がなど)
②通夜、葬儀、告別式の日時と場所
③喪主
④宗旨

遺族も取り込み中なので、こちらから死因を尋ねるなどはしないのがマナーです。

次のような対処のし方が一般的なようです。

・近しい親戚の親兄弟や祖父母、叔父叔母などは、できる限り早く駆け付けます。通夜や葬儀は喪主側の席となります。

・遠方の親戚は、状況次第ですぐ駆けつけることができればそれにこしたことはありませんが、通夜、葬儀には間に合うように参列します。

・ふだんからあまりお付き合いのない疎遠な親戚は、お通夜か葬儀のどちらかに参列するか、参列しない場合は香典をを郵送し弔電を打ちます。

・親しい友人は訃報を聞いたらすぐに駆け付け、手伝うことがあれば手伝います。
通夜葬儀とも参列します。

・ご近所は手伝いが必要な場合はすぐに駆け付けます。お通夜葬儀とも参列します。

・会社の上司の訃報にはすぐに駆け付け裏方として手伝い、お通夜葬儀とも参列します。

・知人の両親は付き合いの程度のより、お通夜か葬儀のどちらかに参列します。

訃報を聞いたらすぐに駆け付けるのがマナーというものの、ごく近しい人は通夜前に集まり通夜や葬式の段取りをするため、さほどで親しくない人は通夜前の弔問をあえて避け、通夜に弔問をする方がよいでしょう。

ただ、こちらがさほど親しくないと思っていても、先方からは頼られているかもしれません。
友人関係とは微妙なものなので、本人から直接助けを求められた場合は、快くお手伝いをしましょう。

弔問のマナーについて

一般の弔問は、お通夜か告別式のどちらか一方に出席するのがふつうですが、個人と特に親しかったり、お世話になった場合などは両方に出てももちろんかまいません。

お通夜前の弔問は「取り急ぎ来ました」ということを意思表示するため、喪服は着て行かず、地味目の洋服で伺うのがマナーです。

また、その時に香典を持参するのも、心づもりをしていたように思われてはいけないということから、マナー違反とされますが、お通夜は正式な弔問なので、告別式と同様喪服で伺い、香典を持参しても大丈夫です。

これだけは知っておきたいマナー

受付の前でバックやポケットからから香典を出すのは失礼に当たります。香典はふくさで包んで持参するようにしましょう。
数珠も手に持っておきましょう。

②お悔やみの言葉は「このたびはご愁傷さまでございます」ぐらいにしておき、頭を下げる程度にして長々と会話を交わさないのがマナーです。
また、遺族から故人との対面をすすめられた場合はお受けしても、自分から対面を望むのは控えましょう。

③昔から通夜や葬儀の挨拶に同じ言葉をくり返すのはよくないと言われています。
「たびたび」「次々」「ますます」などは「忌み言葉」とされているので会話に使わないようにしましょう。

お通夜の流れを知っておこう

お通夜は葬儀、告別式の前夜に故人の死を悼む厳かな儀式です。
お通夜は、葬儀まで日にちを置くと故人の体に悪い霊が入ると考えられていたため遺族が夜通し見守ったのがお通夜の起源と言われています。

お通夜の流れ

焼香の回数などは葬儀業者の指示通りに行いましょう。
一般的な焼香の仕方は、
①まずは遺影に一礼して、次に遺族席に一礼します。
②頭を軽く下げて目の高さまで抹香を上げ香炉に入れます。
③遺影に向かって合掌し、最後に遺族に一礼して終わります。

最近では夜6時ごろから9時ごろまでに行われ、一般の参列者を招き僧侶の読経もその間に終わる「半通夜」が多くなっています。
葬儀場でお通夜を行う場合も、夜通しの番はしないようです。
身内でない弔問客は遅くとも9時ごろには帰るのが礼儀です。

*通夜や葬儀に参列できずに後日弔問に伺う場合は、シンプルで地味な服装なら平服でも失礼には当たりません。香典とともに小ぶりのカゴにアレンジした花などをそえるとよいでしょう。
まずは玄関先で、葬儀に参列できなかったことをお詫びし、お線香を上げさせてもらい、ご遺族に持参した香典やお供え物を渡します。

先方も何かと用事もあるでしょうから長居をせずに切り上げます。

まとめ

弔問のタイミングは故人や遺族との関係性や、地域や宗教によっても微妙に違うので、これが正しいとは言い切れませんが、常に相手を思いやる気持ちで接することが大事です。
一般の弔問客の原則は、「お悔やみの言葉は簡単に述べ、余計なことは聞かないで早々に切り上げる」ことです。

ただ、「何か手伝えることがありましたらおっしゃってください」と一言声をかけておくと、
喪主にとっては心丈夫でありがたいものです。