意外と知らない「お墓を移す方法」とはどんなもの?

GWの行楽に車を走らせていると、木立の中にぽつりと
人に忘れられたお墓があることに気づきます。
森の中だけでなく、観光地に向かう途中の地域で、多くの家が空き家になっている中、
地域の墓地に雑草が生い茂ったまま放置されている光景を目のすることもあります。
子供や孫が家を離れ、お墓をお世話する人がいなくなった結果、
このように放置されているのかもしれません。あるいは、遠縁の親族が
お墓の場所をわかっておらず、お墓のお世話をしようにも
できない状況なのかもしれません。
遠方に住んでいて、年に一度お世話できるかどうかという状況なのかもしれないですね。

お墓を購入しても、そのお墓を将来的にどうするかまで考えておくことが必要です。
昔は一つの地域で生まれ育ち、一つの地域で仕事をして一つの地域で結婚し、生を終えるという人生は決して珍しくありませんでした。しかし現在は、仕事で日本中、いいえ、世界中を走り回っている人も珍しくありません。ワールドワイドな世界になっているからこそ、お墓のことは早めに決めておくことが必要なのです。

お墓を終いにするのも一つの方法です。しかし、もしお墓に思い入れがあり、できる限り今後もお世話をしたいと考えるなら、お墓を移すのも一つの方法です。

お墓を移す「改葬」!方法とは

お墓をお世話のしやすいお寺や霊園に移すことができれば、
苦労して遠方に足を運ぶ必要もなく、お彼岸やお盆の時は
生活の合間を縫ってお掃除お墓参りができますね。
いきなり終いにすることに呵責を覚える人も多いようですから、
お墓のお世話が大変だという人は
まずは近くにお墓を移してみることを検討するのもいいかもしれません。

墓終いとお墓の移動、金額や労力、今後のことを考えながら、家族で比較検討するのがいいでしょう。
その上で「お墓の移動をしよう」と決めたのなら、まずはお墓の移動先から決めましょう。

具体的なお墓を移す方法は下記の通りです。

  1. お墓を移す先を決める(見つけるのではなく移転先に話を通して決めておく)
  2. 現在のお墓を管理しているお寺や霊園の管理主(自治体など)に移転の旨申し出る
  3. 新しいお墓を購入する
  4. 自治体に許可を申請する
  5. 新しいお墓の魂入れ、旧墓の魂抜きをする(お坊さんにお願いするとしてもらえます)
  6. 旧墓の片づけをする

移動をさせようと考えても、移動先が見つからなければ移動させることができませんよね。
また、移動先に話を通しておかなければ、いざ旧墓から移動させようとしても
「場所がいっぱいで」と断られてしまう可能性もあります。
良さそうなお寺だと思っても、いざ話を聞いてみたら檀家との結びつきが強固で、
定期的に法会に参加していただかなくては困りますという話になることもあります。
仕事が忙しい人にとって、これはなかなか難しいことです。ですから、
移転先は受け入れてくれるか」「移転先は自分たちの生活スタイルに合っているか」をよく確認してから移転先を決めるのがいいでしょう。

お墓を移す人の多くは、今のお寺や霊園の方針が考え方や生活スタイルに合わなかったり、お墓が遠方にあってお世話ができず困っていたりという事情を抱えています。事情を解決しようとしているのに、かえって負担が増えては意味がないですよね。

お墓は再度移すこともできるけれど、そう簡単に移すことはできないことを念頭に、後悔しない移動先を決めてくださいね。

旧墓管理人に相談し自治体から許可を

移転先に話を通したら、次にすべきことは新しいお墓の準備と、今のお墓を
管理しているところに話を通すところです。同時に、自治体にも届出をし、
必要な許可を済ませておく必要があります。

私たちが引っ越しをする時は、持ち家であればそのままにしておいても管理さえすれば特に問題はありません。引っ越し先にいるからといって旧家を完全放置しておくことは、ご近所の迷惑になることがあります。また、住民票を移すことも必要になりますから、生きている人間が都合で引っ越しをする場合も相応の手間や手続きが必要になるのは世間的に当然のことという認識でしょう。お墓も同じで、私たちの引っ越しの手続きや手順とは異なりますが、相応に手間がかかります。

移転先を見つけたからすぐにそこに移ることができるというわけではなく、旧墓の管理者にもその旨をお話しし、お墓の移動に協力をお願いすることになります。同時にしておきたいのは、移転先で使う新しい墓の用意と、自治体での手続きです。生きている人間の引っ越しであれば移転に合わせて住民票を移すなどの手続きをすることになりますが、お墓の場合は別に手続きがあります。この手続きをしなければお墓を移すことはできません。法律により、きちんと手続きをしないと罰則の対象になる場合があると定められているのです。

移転先の目星をつけてそちらに話をしたら、旧墓の管理者に話をし、自治体で手続きをして
新しい墓を準備するという順番で進めましょう。なお、これらは同時に進めても差し支えありません。
移転する時にできるように準備が整っていれば問題ありません。

なお、許可を申請したからといって、自治体がその場で「いいですよ」と許可してくれることはほとんどありません。一週間から十日ほど、許可が下りるまで時間がかかります。

参照
http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/kenkou/kaisoukyoka.html

魂抜きや魂入れの法要を忘れずに

お墓を移す時は、旧墓の魂抜きをし、新しい墓で同じく魂入れといった法要をする必要があります。
このあたりは移転前のお墓と、移転先のお墓でどこの檀家になるか、
なっていたかによってお願いするお坊さんが変わって来ることでしょう。

法要をしてもらい、それぞれお布施として1~5万円くらいを包みます。
一般の相場ではそれぞれ3万円から3万5千円程度が一度当たりの相場としてよく渡されているようです。
もちろん気持ちですので、もっと多い額を包んでも差し支えありません。

ただし、お寺から「50万円包んでください」といった法外な請求が行われる
というトラブルが実際に起きていますので、心配な方は自治体への許可申請も含め
法律の専門家に関与してもらうことや、国民生活センターへ相談することも検討しておくといいでしょう。

最後に

こうして法要を行い、最終的に旧墓の片づけをすれば移転終了となります。1から6の順番を頭に入れておけばそれほど難しいことではありません。許可申請や移転先、移転前のお墓管理者やお寺と話を漬けることも考えて、少なくとも一カ月前くらいに動き出しておけば、余裕を持って進めることができることでしょう。

お墓のお引っ越しは人生のうちに何度もあることではありません。しかし、ワールドワイドな世の中になっているからこそ、時に選択しとして考えなければならないことではないでしょうか。