葬儀でいきなり喪主になった!
こんな時は、葬儀でどんな挨拶をしたらいいか困ってしまいますね。
葬儀の場では、普段顔を合わせている人たちに対しても多少格式ばった挨拶をすることが通例です。
会社帰りに何時もお酒を飲みに行く友人であるAに対しても「よ、元気にしていた?
今日は葬儀に来てくれてどうもね!」では締まりませんよね。
それに、葬儀でこの挨拶ってどうなの?親しき仲にも礼儀ありで、葬儀の時は格式ありではないの?
と思われてしまうかもしれません。葬儀の手順も難しいという印象がありますが、
挨拶もとても難しい印象があります。普段のノリでやってしまっては基本的にNGということです。
喪主にとって悩ましい問題である「葬儀の挨拶」を、文例を挙げながら説明します。
目次
喪主の挨拶には絶対的な掟はない!ただし気をつけるべきポイントも
結論から申し上げれば、この記事を読んでいる方は脱力してしまうかもしれません。
実は、葬儀の席上では「絶対にこれを言わなければいけない」というルールはありません。
確かに日常よりも多少格式ばった挨拶を求められますし、親しき仲にも礼儀ありの筆頭が葬儀です。ルールは存在しないといっても、友人の居酒屋に誘う時みたいな口調では基本的にNGということです。では、具体的にどんな口調で、どんな挨拶をすればいいのでしょう。
簡単に説明すると、大切なのは「丁寧な言葉遣い」と「葬儀で使ってはいけない言葉を使わない」「要点を簡略に伝える」ことです。事例で考えてみましょう。
葬儀は親しい知人たちとの交流の場でも、食事会でもありません。
ましてや、酒宴がメインではありません。だからこそ気をつけたいのが、挨拶ではあまりに砕けた口調を使わないということです。例えば葬儀に参列した人たちが全て喪主の顔馴染みであり、中にはよく旅行に行くような人もいたとします。普段であれば「皆、来てくれてどうもね!」と軽いノリで挨拶をするところですが、葬儀では控えた方が無難です。
葬儀は「葬儀」という場です。集まっている人との関係より、誰かの人生の終幕であり、見送るという意味合いが強いです。だからこそ、場の空気に合わせた丁寧な言い回しを心がけましょう。知り合いであっても、対象格式ばった挨拶をするのがマナーです。
また、丁寧というのは、使ってはいけない言葉を使わないということも含みます。「重ね重ね」「度々」などの言葉は葬儀では避けるべき言葉とされていますので、挨拶でうっかり使わないように気をつけましょう。
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ポイントは「丁寧・簡単・要点をはっきり・忌言葉は避ける」
挨拶というと、学校の校長先生や卒入学式の来賓の挨拶のようなものを想像する人もいるようです。
同時に、とても長いものを想像する方もいるようですね。しかし、葬儀の挨拶は、長々と数枚つづりの原稿用紙を読み上げるようなことをする必要はありません。「要点を丁寧な言葉で簡潔に伝える」ことが大切なのです。
葬儀会場では次の葬儀が順番待ちをしていることがあります。火葬の時間含め、葬儀のスケジュールは三十分ないしは一時間くらいの刻みで決まっていることが多いです。あまりに喪主の挨拶が長いと、葬儀場も参列者も火葬場も、そしてお坊さんも困ってしまうことでしょう。お坊さんだって一日に何件ものお葬式を抱えていることがありますから、スケジュールを挨拶で遅らせるということがあれば、他の葬儀会場にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
挨拶は簡潔に。要点をおさえて。自分の言いたいことをわかりやすく。これが重要です。具体的にどんな挨拶をすればいいかというと、次のようなポイントをおさえて簡潔にまとめるようにしましょう。
- 葬儀に参列してくれたことへのお礼
- 故人への親愛のお礼
- 今後もよろしくお願いしたいという旨
これらを簡単にまとめてしまえば、それだけで挨拶文は完成します。
「丁寧」「NGワードを使わない」「簡潔に要点をおさえて」いれば葬儀の挨拶に
難しいルールはないということです。
葬儀で喪主が挨拶!簡単な例文ありますか?
いくつか葬儀の挨拶例文をご紹介しましょう。もちろんこれはあくまで一例ですので、自分の言葉で挨拶をしたいということでも問題はありません。参列者に感謝の気持ちが伝わり、喪主として場を締めることができればそれでいいのです。難しく考える必要はありません。
- 本日は葬儀に足を運んでくださってありがとうございます。
Aの生前には御厚情を賜りまして、本当にありがとうございました。
今後も家族で力を合わせてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
とても簡単な例文です。家族葬などの少人数の場で知り合いに対してであれば、これくらいの短い挨拶でも差し支えありません。葬儀の後に火葬、食事会などが続くのであれば、「ささやかではありますが故人を偲ぶ場を用意しております」などの文言を付け加えてもいいでしょう。シンプルに済ませたいという方は、「お礼を伝える」ということを意識することがポイントです。
- 本日はお忙しいところを、故〇〇(故人の名前)のために足を運んでいただき、誠にありがとうございます。
皆様に見送っていただけることを故〇〇も喜んでいることでしょう。
故〇〇は生前よく「家族仲良く」と申しておりました。故〇〇の言葉通り、これからも家族仲良く力を合わせていきたいと思います。皆様にも変わらぬご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。 - 皆様、本日はありがとうございました。おかげを持ちまして、葬儀を滞りなく終えることができました。
ささやかではございますが、感謝の気持ちを込めて、お席をご用意いたしました。ごゆっくりお召し上がりください。故人の思い出などもお聞かせいただけたらと思います。
改めまして、本当にありがとうございます。
こちらの2つの例文は、最初の物よりももっと人数の多い葬儀でも使える例文になります。簡潔でありながら冗長ではないけれど、要点を入れつつも1より少し長めなところがポイントです。小規模の家族葬よりもっと大人数が集まる葬儀で使うなら、こちらの挨拶文が適しています。もちろん、組み合わせて使ってもOKです。
葬儀の挨拶は葬儀の形式によりタイミングが異なります。葬儀の途中ですることもありますし、終わりですることもあります。タイミングに合わせて使うことも必要になります。「火葬もよろしくお願いします」などの言葉を付け加えてもいいでしょう。
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最後に
葬儀の挨拶というものを難しく考える必要はありません。普段の挨拶であっても、NGワードはありますね。ダイエットのために甘いものを控えている人に対して盛んに流行のスイーツの話をするのはどうなのでしょう?また、家族を亡くして気落ちしている人にも言葉の配慮が必要ですよね。普段の会話の中でも避けた方がいい言葉はあります。
また、普段の会話の中でも、伝えたいことを簡潔に伝えることは大切なことです。「おはよう」と言いたいのに「今日は朝日が昇って鳥が飛んで云々」と長い前口上を使ってしまうと、一番伝えたい気持ちが伝わらないかもしれません。
最も大切なのは伝えたいことを伝えるということです。伝えなければならないことを伝えるということです。今回お話ししたポイントと例文を参考に、喪主の挨拶について考えてみてくださいね。