お葬式は日常的なものではありません。
お母さんにとっては毎日のように食事を作ることが当たり前でも、近しい誰かが亡くなることが日常的だというお母さんはまずいません。毎日きっちり職場で仕事をこなすお父さん。そんなお父さんも、仕事は日常的なことですが、親しい同僚や親族が亡くなることが日常化していることはありません。子供も同じです。学校で勉強に励む子供が、毎日のように近しい人の死に遭遇することはありません。
おじいちゃんやおばあちゃんは、年齢的に死が近しいものに思えるはずです。同窓生や同僚、恩師や親族など、ある程度の年齢になると、毎年のように訃報が届くことも珍しくありません。しかし、誰かの死が日常的かというと、そうではありません。毎日のように訃報が届き、喪服をフル稼働させることはまずありませんよね。
死が日常的ではないからこそ、お葬式の費用も疑問が多いことと言えるでしょう。
今回は数あるお葬式への疑問の中から費用について取り上げます。お葬式の費用の目安はいくらなのか。お葬式の費用の内訳は。お葬式の費用はどのように工面すればいいのか。お葬式の費用はどのように負担軽減をはかれるのか。お葬式の費用相場についてお話しながら、お葬式費用の疑問にお答えいたしましょう。
お葬式費用相場や内訳は?削減と準備について考える
死は突然なもの、そして非日常的なことなのです。だからこそ、誰かの死によって唐突に起きる葬儀は疑問でいっぱいです。
「お葬式のマナーは?」
「香典の額は?」
「服装は?」・・・
毎日のように起きることでないからこそ、世の中の多くの方は突発的な「葬儀(葬式)」に対してたくさんの疑問を抱えているのではないでしょうか。そして、そんな疑問の中の一つが「お葬式費用」についての疑問ではないでしょうか。
死は日常的な事柄ではありません。だからこそ、葬儀は人生の中でもそう頻繁に経験するものではありません。
自分が喪主側で葬儀を取り仕切る回数は参列する回数よりもなおさら少ないことでしょう。つまり、香典を渡す側になるよりお葬式費用を捻出する側になることも少ないということです。だからこそ当事者になった瞬間に「お葬式?え、費用はどのくらいかかるものなの?」「お葬式費用が急に必要と言われても捻出できないよ」と困ってしまったという話も、決して他人事ではありません。明日は我が身に降りかかりかねない、お金の大問題です。
預金がたっぷりあれば問題ありませんが、すぐに側近で数十万円、数百万円単位のお金のポンと出せるお宅などそうありません。だからこそ大切なのは、いざ葬儀となる前に「お葬式費用について知っておくこと」「お葬式費用の準備をしておくこと」なのです。
お葬式費用の相場や目安、内訳はどのようになっているのでしょうか。
お葬式費用の相場と目安
お葬式費用の相場は、日本消費者協会の調査によると約196万円といわれています(http://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/succession/2.html)。
ただし、葬儀事情は年々変化しています。葬儀事情が変われば費用の相場も変わってくるということです。NHKの調査によると、関東の葬儀では5件に1件が直葬であるという結果が出ています(https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/800/152205.html)。直葬とは、基本的に火葬のみの葬儀形態のことです。
お坊さんを呼んで大きな葬儀を出す場合と直葬の場合では、当然ながら費用が異なってきます。直葬の費用目安は10万円から20万円代と言われます。日本消費者協会の調査結果とはかなり違ってきます。
約196万円は通常通り一連の儀式を行った場合の相場であり、直葬や小規模な葬儀(家族葬)などはこの金額よりもう少しお葬式費用の目安が小さくなると考えられます。しかしながら、お葬式費用が「突発的な大きな額の出費」であることは変わりません。
お葬式費用の内訳
お葬式費用の内訳は、「飲食・接待費用」「寺院への費用(お布施など)」「葬儀会場や葬儀道具の費用」の三つにわけられます。
日本消費者協会の調査では、この三つの中で特に大きな額になるのが三番目の「葬儀会場や葬儀道具の費用」となっており、葬儀費用相場の中でも100万円以上を占めている結果でした。次に大きな額だったのが「寺院への費用(お布施など)」で、約50万円となっています。
お葬式費用の準備と削減
お葬式費用について疑問があれば、近くの葬儀店に尋ねてみるといいでしょう。葬儀店はそれぞれの地方の葬儀事情を把握していますので、より地域に密着した話を聞くことができるはずです。
必要であれば、現段階で自分や家族が望むお葬式にどれくらいの費用がかかるのか、簡単に見積もりを作ってもらうのも一つの方法です。見積もりはまさに「オーダーメイド」です。自分たちだけのお葬式費用の目安として、資金計画に役立ちます。仮の見積もりを目安に、そこから資金計画をスタートさせるのも、お葬式費用の賢い工面方法の一つです。
お葬式費用の準備法としては、第一に預金が挙げられます。毎月少額でもいいので、こつこつ積み立てておくことが代表的な方法です。また、もう一つの代表的な方法としては、お葬式費用の工面に特化した保険の活用が挙げられます。毎月定額ずつ積立て、お葬式費用としてまとまった額が下りるようなタイプの保険です。葬祭ローンも代表的な方法です。こういった方法を一つないしは二つ併用することで、お葬式費用を工面することが考えられます。
お葬式費用の削減方法としては、事前に葬儀店から現状の希望を盛り込んだ仮見積もりを取得し、見積もりを見ながら、削減できるところを探す方法があります。また、近年は葬儀のコースも多様化しているため、いくつかのお店のおくつかのコースを比較してみる方法もお葬式費用の削減に役立ちます。
最後に
死は突発的だからこそ、死に付随するお葬式には疑問がいっぱいです。お葬式費用の目安や内訳、削減方法なども、葬儀に関する代表的な疑問の一つではないでしょうか。
お葬式費用は家計に大打撃を与えかねない大きな出費です。だからこそ「これからすぐに葬儀を出さなければならない」という時に慌てて調べるのではなく、事前に相場や目安、内訳などの知識に目を光らせて、心構えと資金準備を進めておくべきではないでしょうか。お葬式費用は大きな出費だからこそ、早め早めに準備しても早すぎるということはありません。
葬儀店などのプロの意見や仮見積もり、そして葬儀関係の情報をよく分析し、いざという時に困らないよう計画を立てておくことが重要なのです。