お墓の建立祝いとは

お墓を親族が建てたり、引っ越して新しく立て直したりするときにするのが建立祝いです。
核家族化が進み実家から遠く離れて住む人も多く、親の墓守もできないため、自分たちが住む近くに立て直す人も近年多いようです。

また、生前にお墓を建てる人も増えてきました。
家を新しく建てた時に新築祝いをするように、新しくお墓を立てた時も建立祝いをするのが一般的です。

建立式のお祝いについて

お墓の建てかえや新しく建てる機会はめったにないことなので、どのくらいの金額を包めばよいか、どのような形式の袋を用いればよいか迷ってしまいます。
また、新しいお墓を建てたからといって全てがお祝いとなるわけでもなく、家族が亡くなったためにお墓を立てた場合はお祝いにはなりません。

・お墓建立のお祝いの場合は、紅白の蝶結びの水引が付いたお祝い袋に「建碑御祝」「建陵御祝」などと表書きします。

・家族が亡くなったためにお墓を建てた場合は、たいてい納骨式や1周忌などの法要の日に同時に行いますが、その場合は法要を優先して白黒の水引が付いた不祝儀袋に「御仏前」と書いて渡します。
その際、別に白い封筒に「建碑御祝」と書いて渡すと良いでしょう。

建立祝いの相場とは?

地域によっても、その家族によっても事情が違うため、一概に金額の相場をいくらとは言えないため、一緒にお祝いをする人にそれとなく聞いてからするとよいでしょう。

一般的には1万円~5万円までくらいの範囲のようですが、例えば親が亡くなった場合に、子どもたちがお金を出し合ってお墓を建てる場合は、もっと金額が多くなります。
逆に親の遺産でお墓を建てる場合は、家族間ではお祝いをしない場合もあるようです。

建立式の服装について

建立式だけならグレーや紺の地味目のスーツやワンピースで問題はありません。
しかし、法要と兼ねているなら、なるべく喪服を着用した方が良いでしょう。

仏事やそれにまつわるお金に関することは、ケースバイケースなので、列席する同じような立場の人と相談の上で決めましょう。

お墓の建立の費用分担について

すでに亡くなった両親のお墓を建てたり、先祖の墓を建てかえるときの費用を昔は祭祀継承者が負担をしていましたが、核家族化が進み財産も兄弟間で均等に分けるようになり、お墓建立の経費も分担し合うことが多くなりました。

この方法は「一族が繁栄する」と好ましい方法とされています。
墓石は中国産石を使ったものから有名な国産石を使ったものまで多数の種類があるため価格は一概に言えませんが、できる範囲の費用を分担し合うと良いでしょう。

開眼供養と建立御祝い

新しいお墓を建てるときは、仏の魂を入れるために「開眼供養」を行います。
たいていの場合は一周忌や三回忌などに、法要の前に僧侶におこなってもらうことが多いようです。

開眼供養では花やお供えを供えて、僧侶による読経をいただき、そのあとお焼香がおこなわれます。
また、開眼供養の際には法要とは別に、お寺へのお布施をします。

開眼供養に招かれた人は、法要のご仏前のほかに「建立御祝」が必要ですが、仏事と同時にお祝いをするのはよくないと、ご仏前の不祝儀袋に一緒に入れる場合もあります。

仏事に関することは関東と関西によっても違い、同じ県でも場所によって風習や習慣が違います。
「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、それぞれの地域や家庭によって違うため、お墓の建立お祝いも独断でせずに、まわりの人に合わすことも大事です。

お墓はいつ建てればいいの?お披露目はいつが適しているの?

家族が亡くなり、新しいお墓を建てる場合、早く建てなくてはと思いがちですが、焦らず慎重に建てましょう。
一周忌や、三回忌、お盆やお彼岸など、人が集まりやすい日にお墓のお披露目をすることが多いようです。

お墓は建てた後の管理も必要です

お墓を建てたものの普段の管理はどうすればいいのか迷ってしまいます。
管理事務所がある場合は、だいたい1年ごとに管理料を収めることになっています。

墓地には使用者の名義登録がしてあるので、名義人の住所変更や死去した場合には変更届が必要です。墓地の移転などを行うときには自治体への申請手続きも必要です。
お墓を建てるのは家を建てるのと同じくらいの労力が必要なようです。

また、お墓の価格は、民営の墓地では墓石価格と工事費、永代供養料で300万円くらいは必要のようです。

仏壇の開眼供養について

新しく仏壇を購入して家の中に設置する場合には、お墓と同じように開眼供養が必要です。これが済まないうちは仏壇の扉をあけてはいけないと言われています。
葬儀が終了した後でも開眼供養を済ませてからでないと扉を開けないようにします。

仏壇の開眼供養は慶事とみなされ、一般的には四十九日法要に合わせて行います。

生前にお墓を立てた場合の建立祝について

近年、生前にお墓を建てる人が多くなりましたが、この場合は完全にお披露目の御祝いなので、服装なども特にこだわることはありません。

「終活」という言葉が流行り、生前に死の準備をすることが当たり前のようになってきた現在では、生前にお墓の準備をされることが多いようです。
生前のお墓の建立は寿陵といい、長寿を招くといわれています。

このような場合には、紅白の水引をかけたのし袋に「建立御祝」と書いて持参し、新築祝い同様、「おめでとうございます」と挨拶します。

お墓の多様化

お墓の種類も多様化し、お葬式の方法も様々となりました。
生き方も様々で、子どものいない夫婦や一人暮らしの人などは「永代供養墓」という選択もあるようです。
基本的に本人が生前に申し込みます。

生前に死後の在り方を決めておくという点では、生前建立と同じとも言えます。
近しい人から、そのような便りを聞いたら、ささやかなお祝いをしてあげるのもよいでしょう。

まとめ

お墓の建立御祝いについては、家族が亡くなったために新しくお墓を建てる場合は不祝儀とみなし、建て替えたり、生前建立の場合は慶事とみなします。
仏事にまつわる行事は宗教や地域によって違うので、周りの人に聞いて失礼のないように対処することが大事です。