最近のお葬式の傾向として、家族や親しい人だけでおこなう家族葬が増えてきました。
家族葬はどういった葬儀なのかといった決まりごとがあるわけではなく、葬儀の流れは一般的な葬儀と変わりありませんが、残された家族が戸惑わないように、生前に家族に意思を伝えておくようにしましょう。
目次
家族葬とは
家族葬を選ぶ人の多くは、故人の意向や遺族が近しい人だけで故人を見送りたいといった希望があるようです。
また、核家族化や生き方の多様化から社会的なお付き合いも少なかったり、高齢化社会で遺族も高齢者で、体力的にも精神的にも多くの方に参列してもらうのが負担になるなどが、家族葬が一般的になった原因のようです。
家族葬にかかる費用は?
葬式にかかる費用は一般的な葬式とあまり変わらず、祭壇の規模やお棺の質などによって費用が違ってきます。しかし、家族葬は一般的なお葬式と違って接待費などが削減できます。
お葬式の費用も様々で、1式がパックになっていますが、祭壇一つとっても白木祭壇、生花祭壇などがあり、生花祭壇の方が高くなってしまいます。
また棺も桐、彫刻、布張り、塗りなど様々な種類がありますが、近年では強化されたダンボールの棺もあるようです。
ちなみに1式の内容は、祭壇、棺、仏衣,納棺用品、遺影写真、骨箱、枕飾り、焼香設備、祭壇用盛り物、祭壇用生花、後飾り、受付設備、記録帳一式、名木看板、案内版、セレモニースタッフ、司会者、マイク設備、手続き代行(役所などへの脂肪手続き、火葬場の予約など)ドライアイス、霊柩車、寝台車、設営費などです。
全てで約80万円くらいがかかるようですが、パッケージプランになっているため、これは不要ですと言っても割り引いてくれる可能性は低いようです。
一番金額が大きいのは祭壇と棺ですが、白木の祭壇は使いまわせるので安くなります。
また、棺は素材によって価格が大きく違ってきます。
家族層を望む場合は、特に見栄をはる必要もないので、ごくシンプルな祭壇と棺にすることで半分の40万円以下で行うことができます。
意思表示を家族にしておくことが大切です。
かつては、生きているうちからお葬式の話をするのは、「縁起でもない」と言われていましたが、最近では死について語られることがタブーではなくなりました。
遺族が、葬儀の予算をあまりにも低くするのは、心苦しいところもありますが、当人がはっきり意思表示をしておくと、残された家族が迷わずにすみます。
今までの葬儀は形式的で世間体などにもこだわったお葬式が多かったのですが、近年形式にとらわれず、家族で静かに見送ってほしいという人が増えました。
不要なサービスを省いて自分らしい葬式をすることが流行りのような時代になり、「せめてお葬式だけは立派におこないたい」といった考えの人の方が少なくなってきたようです。
葬祭費補助金について
各自治体の行政機関に「葬祭費補助金申請」を提出すると、国民年金保険や社会保険に加入している当事者が死亡した場合、葬祭補助金が支給されます。
家族葬の流れ
家族葬は家族のみで行いますが、葬儀自体は一般葬とそれほど変わりはありません。
お通夜は、葬儀の前に故人の死を悼む儀式です。
葬儀式は宗教的儀式で、各宗教によってそれぞれの方法でおこなわれます。その後、遺体の処理として火葬を行います。
「家族葬」と「密葬」は似ていて、どちらも家族のみで通夜と葬儀式を行いますが、密葬の場合は後日「本葬」をとりおこないます。
家族葬でも、ごく近しい人を呼ぶこともあります。その際参列する場合は、一般葬と同じく正式な服装で見送るのがルールです。
お通夜の場合は男性の場合は、紺やグレーなどのスーツに白いシャツ、地味なネクタイに黒い靴下を用います。葬儀式は黒のスーツに黒のネクタイ、黒の靴下にします。
女性の場合は、お通夜では地味な黒やグレーの、ワンピース、葬儀式には黒の喪服、靴やバッグも黒で統一しましょう。
自分流の葬儀をとりおこなう人が増え、葬儀方法も多様化しており、家族葬や葬儀そのものをおこなわないで火葬のみの簡素な直葬を選ぶ人もいるようです。
注意したいポイント
一般的なお葬式の費用の相場は?
祭壇ひとつとっても10万円から100万円までと幅があり、お葬式にかかる費用は大きく違ってきます。
仏教の場合お寺への費用として読経量が5~10万円、戒名料が15~50万円かかります。
また、他にも通夜のふる舞い料理が一人あたり2000~3000円。葬儀当日の精進落とし料理が3000~5000円が目安です。
純粋の家族だけなら飲食代については省けますが、親せきや知人などを家族葬に出席してらうなら必要な経費です。
火葬料が公営の場合は2万円まで、民営の場合は3~5万円、その他寝台車や霊柩車、マイクロバスの使用料金も必要です。(葬儀一式のパックに含まれている場合もあるので確認しておきましょう)
*葬儀会社によっては基本料金は安く設定し、オプションという形で料金を追加します。大幅な予算オーバーになってしまうこともあるので、事前に確認しておきましょう。
新しい葬式について
家族葬を行う場合に限りませんが、最近では業者任せではなく家族が演出した葬儀をとりおこなうことが増えてきました。
故人の好きだった曲を流したり、ビデオで生前の姿を映したり、故人の好きだった日本酒やワインなどを献杯して送るなどの新しい方法も取り入れられているようです。
お葬式の形は様々となりましたが、自分の意志で葬儀を選ぶには、生前に家族の理解を得ておくことが大切です。遺言の形にして残しておくとよいでしょう。
よりシンプルなお葬式について
・一日葬
通夜をおこなわず、一日で葬儀と火葬をおこなうプランです。
家族葬よりさらに小規模で参列者は10人程度だと、費用は20万円くらいです。
・直葬(無葬儀)
葬儀そのものをおこないません。病院や自宅から直接、火葬場にいくプランで、費用は10万円以下です。
流れは、病院から死亡診断書を発行してもらい、葬儀社に搬送を依頼します。死亡後24時間は火葬をすることができないので、葬儀社か火葬場で安置した後、火葬にします。
まとめ
お葬式については人それぞれの考え方があります。家族を見送るのにも10万円から数百万円もの違いがあります。
死は突然、誰の身にもやってくるものです。残された者は判断に迷うため、あらかじめ書いたものを残すなどしておくことも必要です。