痛ませない!上手な野菜室の使い方

夏場は食物の腐りやすい季節です。

これから夕飯を食べる家族のために温かなご飯とおかずを用意しておいたら、家族が帰宅する頃には既に臭いが変わりはじめていたという経験はないでしょうか。大袈裟だと思うかもしれませんが、夏場の気温が上がると食材は冬や秋といった涼しい季節には考えられないくらいのスピードで悪くなってしまいます。だからこそ気をつけたいのが食材をどう保つかということです。

せっかく購入したのに、気がついたら痛んでいたらショックです。痛ませないだけでなく鮮度を保つことにも気をつけて、夏だけでなく春夏秋冬使える野菜の保存法における注意点をお話しします。

ちょっとしたことに気をつけるだけで野菜を傷ませずに保存することができるのです。野菜室に入れておけば問題ないと考えていませんか?

野菜室に入れるだけじゃ駄目?傷ませない5ポイント

冷蔵庫には野菜の保存のために使用できる野菜室があります。普段野菜を別に保存している人でも、夏場はやはり冷蔵庫の野菜室の出番と考えるのではないでしょうか。野菜を購入後しんなりする前に素早く野菜室に入れる。これは野菜保存の基本かもしれないですね。

しかし、野菜室にとにかく詰めればOKというわけではありません。野菜室や野菜の特性を知っておかないと、保存のための野菜室がかえって野菜を傷ませる結果になってしまうことも・・・。

野菜室で野菜を保存する際にはいくつかポイントがあるのです。コツを掴んで、夏場も状態のよい野菜を口にしたいですね。簡単に気をつけることのできる野菜室で野菜を保存する場合のポイントは5つです。

  • 過剰包装はNG
  • 野菜によってはラップを活用
  • 匂いの強い野菜の保存は要注意
  • 湿気をよく見る
  • 野菜によっては野菜室に入れない

この5つのポイントは今日から簡単にできる野菜室で野菜を保存する際のコツです。順番に、もう少し詳しく説明します。

野菜室への収納で過剰包装はNG!ラップは上手く活用

スーパーで野菜を購入すると、野菜がラップや袋でぐるぐる巻きにされているものも多いです。キャベツの半切りなどはその代表格で、袋やラップで綺麗に包装されていることがほとんどではないでしょうか。野菜を切ると切り口がすぐに乾燥してしまうため、お店側で綺麗に包装するのは理にかなっていると言えるでしょう。

では、皆さんは購入後の半切りのキャベツをどのように野菜室へ収納するでしょうか。包装のまま野菜室に入れておくという人が多いのではないでしょうか。

野菜室に野菜を収納している人の中には、「野菜室に野菜の臭いが移ることが嫌だ」「野菜の汁で野菜室が汚れてしまいそう」という理由で購入後の包装にさらにラップを巻き付けたり、ビニール袋をかぶせたりといった収納のしかたをしている人がいます。実はこれ、NGなのです。

最近の野菜室は野菜の鮮度を保ち、美味しく保存するためのメーカー側が工夫をこらしています。過剰包装は野菜室の意味そのものを打ち消してしまいます。過剰包装はせず、ラップだけを簡単に巻くかそのままの状態で野菜室に収納するのが望ましい野菜室の使い方です。ただし型くずれしそうな野菜は少しだけ厳重にラップを巻くのも仕方のないことです。型くずれしない野菜は「そのまま収納が基本」であると覚えておきましょう。

野菜同士で傷がつく?臭いにも要注意

野菜はそのまま野菜室に収納することが基本で、包装の上からさらにラップを巻き付けたりビニール袋に入れたりすることは野菜室の利点を打ち消してしまうという話をしました。しかし、時にある程度しっかりと包装しなければならないケースがあります。「野菜がたくさん入っている時」と「臭いの強い野菜を収納する時」です。

野菜はそのまま保存が基本で、型くずれする野菜や切ってある野菜は型くずれ防止や乾燥防止のためにある程度包装して収納することがポイントになります。つまり、その他の野菜は包装なくそのまま入れてしまっていいということです。

しかし、野菜室がぎゅうぎゅうの時にそのまま入れてしまうと野菜同士が擦れたりぶつかったりして野菜に傷がついてしまいます。傷がつくと傷の部分から汁が出たり、痛みが早くなったりしますので、野菜室のスペースに余裕がない時はあえてラップを普段より厚めに巻いて傷を防止するのも一つの手です。ニンニクや長ネギなどの臭いが強い野菜を収納する時は臭いの強い野菜だけを厳重に包装しておくことも重要です。

野菜は鮮度も大切ですが、それぞれの野菜に風味があってこそではないでしょうか。野菜室にニンニクをそのまま入れておいたら野菜すべてにニンニクの臭いが染みついていたなんていうことは、野菜を料理に使う上でも避けたいことです。

水分状態は?ビニール袋やラップの濡れは傷みに繋がる

野菜をラップやビニール袋で包装して野菜室に入れる場合は、ラップやビニール袋の内側の状態に気をつける必要があります。野菜から水分が抜けてラップの内側が濡れていませんか。ビニール袋に水が貯まっていないでしょうか。この状態で放置しておくと野菜が傷む原因になってしまいます。ラップやビニール袋を使う時は、内側の状態によく気を配るようにしましょう。

また、野菜室で野菜を保存する上で知っておきたいのは、すべての野菜が野菜室に適しているというわけではないということです。野菜の中には野菜室に入れずに保存した方が長持ちすると言われている野菜も少なくありません。例えば芋やごぼう、タマネギ、カボチャなどです。これらの野菜は野菜室に入れず風通しのよい日陰で保存することに適した野菜です。

芋やカボチャ、タマネギなどは途中まで使ったら同じようにラップをかけて野菜室に保存するのがいいでしょう。一個丸ごと保存する場合は野菜室は使わず、キッチンなどに条件のよい野菜置き場を作りそこに保存しておくのがいいですね。

最後に

野菜室は近年どんどん進化していています。野菜の鮮度を保つためにメーカーが工夫をこらしています。しかし、とにかく野菜室に入れれば大丈夫というわけではなく、野菜を美味しく保存するためにはコツがあります。ポイントをおさえて野菜を収納することにより、野菜と野菜室を両方活かすことができるのです。

お店の包装の上からさらにラップやビニール袋を巻くといった過剰包装をしていませんか?

野菜をぎゅうぎゅうに詰めて傷をつけてしまっていないでしょうか?

ラップが野菜から出た水で濡れていませんか?

臭い移り対策は大丈夫ですか?

基本的なことですが、野菜を美味しく食べるためには大切なことです。