喪服を選ぶときの注意点とは?知っておきたいポイント

葬儀は催す方も大変ですが、呼ばれる方だって大変です。

お金を包まなければいけませんし、亡くなったのが近しい身内であれば、
品物や花輪を用意することも珍しくありません。地域によって御数珠の色に厳しいところもあり
どこで催される葬儀なのかも頭に入れて出席しなければいけないという難しさがあります。
友人のランチにお呼ばれしたのなら、同じお呼ばれでもここまで悩むことはないでしょう。

誰かの人生の節目であり一大イベントだからこそ、呼ばれる方も
失礼がないように気をつけなければいけません。自分だけが恥をかくのではなく
呼んだ方も恥をかくかもしれないと考えるからこそ、冠婚葬祭への出席は
気持ちの面でも準備の面でも大変です。

今回は葬儀に呼ばれる側の準備の一つである「喪服」について、選び方を中心に解説します。
喪服は黒なら何でもいいの?そんな疑問にお答えいたします!

喪服は「黒」ならOK!これが結論

結論としては、喪服は「黒で喪服に相応しいと思われるものであれば」特に問題ありません。
絶対に市販されている喪服専用の服を着なければならないわけではなく、私服の中から
黒いブラウスやスカートを喪服として使うこともできます。
葬儀は急にお呼ばれしますから、中には喪服が間に合わなかったという人もいることでしょう。
黒いスーツの一セットがあれば、その黒スーツを喪服として着用することも特に問題ないというわけです。

ただし、喪服はなぜ「喪服」なのかをよく考え、例え黒でも
「葬儀に相応しいか」をよく考える必要があります。もちろん黒い私服を使ってもいいのですが、以下の点をよく確認し、葬儀の場に相応しいかを考えてみてください。以下にあてはまる特徴を持った服は黒でも避けましょう。

  • 黒地ではあるが色柄が混ざっている
  • 色糸で刺繍がしてある
  • 黒いが布地が透けている
  • エナメルや皮などが使われている
  • スパンコールやビーズが使われている
  • スカートの場合、あまりに丈が短い
  • ボディラインが強調されていない
  • ジーンズではない
  • あまりに見た目が遊び着や部屋での寛ぎ着を思わせるような服ではない
  • デザインが奇抜ではない
  • ボロボロだったり、しわがついていたりしない

迷ったら、派手よりだったら地味、他色が入ったものよりだったら黒一色を選ぶといいでしょう。

選ぶ時は「上手く選ぶ」のではなく「失敗なく選ぶ」

喪服で大切なのは「上手く選ぶ」ことや「自分のファッションセンスを出す」
「個性を出す」ことではありません。葬儀はお洒落を競う場でもありませんし
パーティでもありません。上手く喪服を選ぶことが大切なのではなく、失敗なく喪服を選ぶことが大切なのです。

最も失敗しない選び方は、やはり私服という感じの服より、よそ行きという感じの服を選ぶことで、私服として購入した物よりはスーツや喪服として購入したものを身に着けることです。この方法であれば、あまり葬儀に出席したこともない人でも失敗はないからです。

葬儀の規模についても一考する必要があります。
自宅でとり行う身内だけのかなり小さな葬儀であれば、大学に通う長男は黒いシャツにスラックスでも家族が頷けば問題ありません。しかし大規模な式であれば、多くの人はかっちりしたスーツや喪服セットを身に着けてくることが多いです。式の規模も喪服を選ぶ時のポイントになります

葬儀の形式に合わせることも重要

喪服で重要なのは「黒であること」「派手ではないこと」なのですが
それ以外にも考えていただきたいことがあります。別に難しいことではありません。
とても簡単でシンプルなポイントです。そのポイントとは・・・「葬儀に合わせる」ということです。
「喪服で出る時点で十分に合わせているのではないか?」と思われるかもしれないですね。
確かにその通りです。しかしここで考えなければならないのは、喪服以外の服も時に喪服になるということなのです。

例え話です。生前、とても社交ダンスが好きで、教室に通い、たくさんの大会に出場したおばあちゃんが亡くなったとします。そのおばあちゃんは本当にダンスが好きで、親族はおばあちゃんをダンスで天国に送ろうと考えていました。出席者の多くも社交ダンスを習っており、葬儀ではおばあちゃんの好きだった曲でダンスをしようという企画を立てました。親族は、「ダンスに参加する方は社交ダンス用の衣装でおいでください」という形で連絡しました。この場合はどうでしょう?

社交ダンス用の衣装は煌びやかで露出の多いものがたくさんあります。
葬儀では「非常識だ」と言われてしまうことでしょう。
しかし、この葬儀では何が正解でしょうか?大切なのは送る人とそのご家族のことを考えることではないでしょうか。この場合、社交ダンスの衣装こそ正しい喪服になり得るのではないでしょうか。

近年、葬儀の形はとてもバリエーション豊かです。
音楽などの本人の趣味で送るという形式の葬儀も珍しくありません。

「葬儀だったら喪服」

その通りです。しかし、それぞれの葬儀で別の服装を指定されたら、相手方に合わせるのもマナーです。
この場合、自分はダンスに参加しないという人は、ご家族にどんな服装をしたらよろしいか問い合わせてもいいでしょう。大切なのは相手に合わせること、そして心遣いです。葬儀の形態に合わせて、時に喪服以外の服を喪服としてセレクトすることも大切なのです。

最後に

喪服は黒であることがとても重要なので、私服として購入したブラウスやスカートを喪服に転用しても差し支えありません。ただしあまりに家着に見えるような服や、透け感のあるもの、皺のついたものやボロボロのもの、ジーンズなどは避けた方が無難です。柄やスパンコールにも気をつけて選んでください。

一番簡単なのは、市販されている喪服セットを購入することです。こちらは喪服用として作られた服ですから、葬儀において失敗するということがありません。あまり葬儀に出席したことがないという人は、こうしたセットを一そろい購入しておくのが無難です。また、先方から葬儀の形式で服装の指定があれば「葬儀だったら喪服でなければおかしい!」と考えず、故人や先方の意向に添うようにしましょう。現在は様々な葬儀の形態があります。故人をも送ることを第一に考えることができたらいいですね。

喪服において大切なのは「上手く選ぶこと」よりも「失敗しないこと」です。失敗しないためには、注意点を留意して、スタンダードな喪服を選ぶようにしましょう。日常のファッションで冒険することは悪いことではないですが、喪服の場合は冒険することはやめてくださいね。