9月はどんな月?9月に関する知識や雑学について

皆さんは「9月」という月にどんな印象を持っていますか?

皆さんにはそれぞれ「9月という月に対する印象」があることと思います。その印象をさらに深めるべく、9月という季節についての雑学をお話します。9月は行楽シーズンでもありますから、紅葉狩りなどに足を運ぶ際、家族に車の中で披露するとちょっと得意な気分を味わえる秋、そして9月についての豆知識についてお話します。

9月はどんな月?月の名前の由来とは

9月といえば秋。8月という暑さの盛りである月を超え、そろそろ気候も寒さの方に傾いてくる季節という印象かもしれません。「8月に比べると過ごしやすくなった」という声を聞きますから、暑い日々の後に訪れる冬本番前の一服の季節という印象もあるかもしれません。冬ほど寒いわけではなく、夏ほど暑いわけではない9月は確かに過ごしやすい「暑さと寒さの中間の季節」とも言える季節かもしれません。

また、9月と言えば食べ物の美味しい季節という印象もあるかもしれません。夏や春も確かにたくさんの美味しい食べ物があります。それぞれの季節に旬の食べ物がたくさんあります。ですが、秋の場合は魚や野菜、果実などたくさんの食材がいっせいに収穫期や食べごろを迎えます。

ブドウやリンゴなどは代表的な9月の果実です。店頭にはサンマなどの脂の乗った美味しい秋の魚も並びますね。日本の主食である米も秋に収穫されます。だからこそ秋には「食の季節」という印象があります。

他には、紅葉がはじまる「色鮮やかな季節」という印象ないでしょうか。冬という雪と灰色の季節の前に、日本は美しい色彩にあふれます。紅葉する樹木はいっせいに赤や黄色に色を変え、日本の木造建築とのコントラストが最高に美しいと諸外国でも評判です。

山に足を運ぶと、まだ緑を残した木々と紅葉した木々が入り交じり、一枚の絵画のようです。各地には紅葉目当ての観光客がさかんに足を運び、賑わいはニュースでも報じられます。9月頃になると有名な紅葉の名所の映像が脳裏に浮かぶ方も多いのでは。

さらに、9月は「月」の月でもあります。9月は旧暦で「長月」といいます。これは、9月が秋であるからついた名前だと言われています。秋になると夜が長くなるため「秋になって夜が長くなった月」「夜の長い月」という意味で長月と呼ばれるようになったのだとか。本来は「夜長月」であったものが短くなって長月になったのだそうです。

9月にはお月見という印象もありますから、「夜の長い月」という名前はぴったりですね。この他に、9月は収穫の時期ですから、「稲刈月」や9月に節句のある秋の花である菊から「菊月」等とも呼ばれます。

9月は秋のスタート地点!秋の雑学

ここから秋のスタート地点。だからこそ秋を象徴するような名前が付けられ、秋特有の印象が濃い月こそが9月なのです。9月の月の名前の由来だけでなく、秋全般の豆知識についても知識を深めましょう。9月は知識の季節でもあります。

知識と言えば本。そう、「読書の秋」です。9月は秋のスタート地点ですから、「本」の月とも言えるのではないでしょうか。

「〇〇の秋」という言葉に代表されるように、秋には「〇〇の秋」という言葉がたくさん存在しています。秋って本当に良い季節!と思うと同時に、この「〇〇の秋」という言葉は一体誰がどんなふうに決めたのだろうと疑問に思いませんか?

簡単に挙げるだけで「〇〇の秋」という言葉は4つ以上見つかります。

  • 読書の秋
  • 食欲の秋
  • スポーツの秋
  • 芸術の秋

こうした「〇〇の秋」という言葉は一体どこから来たのでしょうか。

秋は読書に適した季節です。秋の気温は寒くもなく、暑くもないため、人間が本に集中するのに適していると言われています。しかし、気温だけで語るなら春だって適しているのではないかという話になることでしょう。

春も暑くも寒くもない季節で、気温が人間の集中力に大きな影響を及ぼすなら決して悪い季節ではないはずです。それなのにどうして秋だけを指して「読書の秋」という言葉ができたのでしょう。

「〇〇の秋」という定番フレーズはどこから来たの?

「読書の秋」という言葉は古い漢詩によりできたと言われています。韓愈という中国の詩人が「符読書城南詩」で「灯火親しむべし(秋の夜長は灯火の下で読書することに適しているね)」と書いたことがきっかけであったと言われます。日本では夏目漱石が取り上げ、一気に「秋は読書の季節だね」というふうに発展しました。

「食欲の秋」という言葉が生まれた理由は単純で、秋は稲刈りなどの豊富な食材の収穫期であることや果実が成熟すること、そして冬を前にして多くの生き物が太り肉や身にたっぷりと脂を蓄えるからだと言われます。つまり、肉・魚・果実・米問わず丸々としたものが豊富にとれて美味しいからこそ「秋は食欲の季節」と言われるようになったのです。

人間も冬を前にして食欲が湧き上がり、体に脂肪を溜め込むのが秋だと言われます。本能的なものからも「食欲の秋」という言葉が生まれたと言われます。

「スポーツの秋」という言葉が生まれたのは、東京オリンピックが原因であったと言われます。東京オリンピックを前にして「スポーツをしよう」「運動で汗を流そう」という機運が高まり、秋の過ごしやすい気候の中でスポーツを盛んにすべく10月に体育の日を制定しました。体育の日が10月だと考えると「スポーツの秋」は10月にこそ相応しい言葉に思えますが、9月も既に10月とさほど気温が変わらないことからスポーツには適していると言えます。秋全般がスポーツのしやすい時期なのです。

秋は過ごしやすい時期のため物事に集中しやすいということは「読書の秋」の箇所でもお話しました。集中しやすいのは読書だけでなく、芸術も同じことです。気温が集中することに適しているため、秋は絵や文章に適する季節とも言われます。また、絵画のコンクールなども秋に集中しており、そういった意味で秋を芸術の季節と評することもあります。

最後に

9月は秋のはじまりのような月です。秋になって夜が長くなることから「夜長月(長月)」という名前で呼ばれていました。夜が長いと、食後にゆったりと灯りの下で読書などを楽しむことができるところから、「読書の秋」などの言葉も生まれました。色彩や食にも恵まれた月、それが9月です。

9月になるとどんどん寒くなり、やがてやって来ます。冬になる前の色彩と味覚あふれるシーズンを、ちょっとした豆知識とともに楽しんでみてください。