知っておきたい「喪中はがき」が届いた時のマナー

「家族が亡くなったら年末年始の挨拶はどうしますか?」と問えば
多くの人は「控える」「年賀状は出さない」「喪中はがきを出す」と答えますね
。家族が亡くなった時は基本的に新年のご挨拶は控え、年賀状は出さずに、大体十月頃から喪中はがきとして周囲にご挨拶することは、日本のマナーの中でも特に有名なことではないでしょうか。

では、こちらはどうでしょう。

「喪中はがきをもらったらどうしますか?」

この問いに対して、皆さんはどのような回答をしますか。

「年賀状は出さない」と答えるでしょうか。それとも「ついに○○さんも亡くなったのか。寂しいことだと考えて済ませる」と答えるでしょうか。「何もしないで年賀状だけ控える」と答える人もいるかもしれないですね。家族が亡くなったら喪中はがきを出すことは知っていても、喪中はがきを受け取ったらどうすればいいかを知っている人は少数派です。

喪中はがきを受け取ったらどうすればいいの?マナーはあるの?

そんな、受け取る側のマナーについてお話しします。受け取ったら終わりで済ませていませんか。もう一歩踏み込んで、喪中はがき受け取り後のことについて考えてみましょう。

喪中はがきを受け取る側のマナーとは

喪中はがきを受け取ったらどうすればいいのでしょう。
これは多くの人の盲点ともいえる疑問です。出すことはわかっていても、受け取る方としてのマナーはわからないという人はわりと多いのです。「考えてもみなかった!」という人だっています。受け取ったら受け取りっぱなしという人が多いのも事実です。

喪中はがきを受け取ったらどうするのが正解なのでしょうか。まず、喪中はがきを受け取る側は二つの立場にわかれることを考えてみてください。

  1. 葬儀に出席した人
  2. 葬儀に出席していない人

以上の二つのパターンです。

①なのか、それとも②なのかによって多少受け取り後の対応が変わります。自分はどちらなのかをまずはっきりさせてください。

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葬儀に出席して喪中はがきを受け取った人のマナー

最初に①の立場で喪中はがきを受け取る人のマナーについてお話ししましょう。

葬儀に呼ばれて出席しているわけですから、亡くなったこと自体は知っていますし、すでにお金を包み、手を合わせに足を運んでいることになります。故人との親しさによっては、花輪などの品物を葬儀に合わせて送っていることでしょう。ですから、「既に故人の死に際して一通りの挨拶や礼儀は果たしている」ということですから、喪中はがきを受け取っても、凄く特別なことをしなければいけないということではありません。

よく知った間柄・・・例えばすぐ側に住んでいて盛んに行き来している兄弟姉妹間や、父母と子供の間では、喪中はがきを受け取ってもノーリアクションということは十分にあり得ることです。とても親しい間柄であれば「一応はがきは送っておくけど、それだけだから」でOKということもあります。既に年賀はがきを用意してしまっていれば「発注してしまって、もう取り消しが利かない」「わかった。喪中だけど受け取っておくね」でも、お互いが了解していれば特に問題はないことでしょう。

ただ、これは親族の中でも特に親しく、やり取りが盛んな間だからこそできることです。
兄弟姉妹の夫方や妻方、普段あまり交流のない親族、遠縁の親族、友人や会社の同僚であれば、「何もしない」「うっかり年賀はがきを送る」は基本的にNGです。喪中はがきを受け取ったら、何らかのリアクションをすることが基本的なマナーです。

しかし、葬儀に足を運んでいるのであれば、改めて喪中のお宅に足を運んで仏壇に手を合わせるといったことをする必用はありません。

  • 喪中はがきを受け取ったことと年賀状は控えることを電話で伝える
  • 年賀状ではなくお見舞いはがきや手紙を送る

以上のような方法で、相手方に挨拶をするのがいいでしょう。もちろん葬儀に足を運んでいれば改めてお金を包む必用もありません。

葬儀に参列していない人が喪中はがきを受け取ったら?

葬儀に足を運んでいない人の中には喪中はがきで死を知るという人もいることでしょう。
先に死を知っていて、葬儀の日付とずらし、相手方へ手を合わせに行った人もいるはずです。
後者の場合は既にお金を包んでいるでしょうし、故人の親族に挨拶もしているはずです。
ですから喪中はがきをもらってもあらためてお金を包むといったことは必要ありません。
①の人と同じように考えていいでしょう。

気をつけたいのが、喪中はがきで死を知った人のマナーです。
こちらは葬儀に出席していないわけですから相手に合わせて、

  • 現金書留などでご仏前(または御霊前。時期に合わせて)を送る
  • 果物やお菓子、花など仏壇に供えられるものを送る
  • はがきや手紙でお見舞いを送る
  • 電話でお悔やみの言葉や年賀状は控える旨を伝える
  • 都合の良い日時を尋ねて仏壇に手を合わせに行く

といったリアクションをすることが基本的なマナーです。

相手が葬儀に呼んだ、呼ばないに関わらず、喪中はがきをもらいっぱなしではなく、お悔やみやお見舞いの気持ちを伝えておくことが重要です。

ただし、相手方がどう考えるかも想像する必用があります。

例えば自宅にあまり来て欲しくないからこそ、故人の家族はあまり周囲に連絡せず、葬儀場を借りて葬儀を出したのかもしれないですよね。もしそうなら、自宅に手を合わせに行くのは相手方にとって迷惑になってしまう可能性があります。

お金や食べ物、花などを送るにしても、相手方はお返しを考えることでしょう。故人の家族の負担が大きくなってしまうことが考えられます。喪中はがきを受け取ってリアクションをするにしても、相手との距離や葬儀の時の形式を考慮することが重要なのです。

もし迷ったら相手に電話でまずは伺いを立てるのがいいでしょう。あるいは、お見舞いという形ではがきや手紙を出すのが失敗のない方法でしょう。地域によってもマナーや風習がありますから、故人の家族が住む地域の葬儀店に問い合わせるのも良い方法です。

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最後に

喪中はがきを受け取った場合、「相手との距離」と「葬儀に足を運んだか(手を合わせに足を運んだか)」によってリアクション方法を変えていく必用があります。とても親しい親族間であればノーリアクションも許容されますが、遠縁の親族や友人、同僚などの間柄では、何らかの返信をするのが基本的なマナーです。

ノーリアクションよりであれば、電話の一本でも入れる。これでかなり心証も変わってきますよね。受け取りっぱなしではなく、喪中はがきにも基本は返信をしましょう。心に留めておきたいことです。