押さえておきたいお墓にまつわる決まり事

お墓は日本人にとって一族の眠る場所であると共に一族のより所としての意味も持つ場所です。近年はお墓を持たない家族も多くいますが、それでも「お墓」というものと無縁ではいられません。

他の家の葬儀に足を運んだ際に納骨のためにお墓に足を運ぶことがあります。また、日本のカレンダー上ではお盆の期間が里帰り期間としてニュースに取り上げられることも皆さんの記憶にあるはずです。

お墓を持つこと、持たないことは別として、日本の生活の中には「お墓」というものが関わっているのです。これからお墓の数が減ることがあっても、日本人とお墓の関係はさほど変わらないことでしょう。

そこで、日本人の生活に深く関係するお墓について知識を深めていただくため「お墓についての決まり事」についてお話ししたいと思います。日本人の生活や文化に根ざし影響を与えているお墓だからこそ、知っておきたい知識です。Q&A形式で「知っておきたいお墓の豆知識」を順番にご紹介します。

Q1.自分の土地であればお墓はどこに建ててもいいの?

『これからお墓を建てようと思っています。しかし近くの寺院や霊園の敷地はもう空きが無いと言われてしまいました。私の父や眺望の良いところが好きで、是非とも眺望の良い場所で眠らせてあげたいと考えています。また、私の母は趣味を取り入れた現在の自宅を気に入っており、体調を崩しても入院や老人ホームへの入居を拒むような状態です。母に関しては、死後は自宅でゆっくり眠らせてあげたいと考えています。お墓は一族のものとはいえ、個人で購入して建てるものです。自分の敷地であれば自由に建ててもいいのではないでしょうか』

お墓は土地を決め、家族で購入する物です。しかし「物」でありながら、一族の象徴ともいえるものでもあります。自分の家族が望む場所に建てたいと願うのは当然のことかもしれません。しかし、仮にそう希望していたとしても「眺望の良いところや自宅にお墓を建てたい。それってOKなの?」という疑問があります。どうなのでしょう。

A.「自分の好きなところにお墓を建てることはできません」

これが答になります。自分の敷地であればお墓を自由に建ててもいいのではないかと考えるかもしれません。

山の中や観光地であっても、眺望の良いところの土地を自分で購入すれば好きに使ってもいいのではないかとも思うかもしれないですね。しかし、「お墓はお墓を建てていい土地(お墓用の土地)」でなければ建ててはいけないという決まりがあります。これは「墓地、埋葬等に関する法律」で厳格に決まっていることです。

お墓は個人のものであると同時に一族のものです。そして一族のものであると同時に、個人の事情だけでなく「公共」が関わってきます。自分の敷地であっても自由にお墓を建てていいわけではありませんのでご注意を。

「眺望の良い墓地がいい」「自宅がいい」などの自分や家族の希望がある場合は、なるべく条件に添った霊園や自治体の公共の墓地、墓地のある寺院などを探してお墓を建てることになります。

Q2.お墓の改葬や墓終いは勝手にしてもいいの?

『別の自治体に引っ越しをすることになりました。お墓参りが大変になるのでお墓を移したいと考えています。移すことが大変なら、お墓を処分すること(墓終い)を検討しています。自分の家のお墓なので、こうしたことは勝手に進めていいのですよね?手続きなどは必要なのでしょうか』

引っ越しやその地域に住む一族が絶えることによりお墓の管理が難しくなることはよくあることです。管理が難しくなった場合、現在の生活拠点に合わせてお墓を移動させるか、お墓そのものをお終いにすることが考えられます。お墓は各一族や家が個人で購入するものなので、「改葬」や「墓終い」も勝手に行っていいのではないかと考えがちです。しかし、これは間違いです。

A.「お墓の移動や墓終いは、勝手にしていいものではありません」

お墓の移動や墓終いは、勝手にしていいものではありません。自治体へ届け出て許可をもらうことが必要になります。もちろん許可をもらう前提として現在お墓がある霊園や墓地を管理している住職や自治体への相談も必要になります。

お墓は個人や一族のものであると同時に「公共」が関わるものです。この「公共」という言葉が、お墓についての知識の鍵になります。

Q3.お墓のゴミ捨ては?竹木の伐採は勝手にしていいの?

『久しぶりにお墓参りに来ました。しばらく掃除していなかったせいか、雑草が伸び放題になり、お墓の竹林もかなりうっそうとしています。草は刈り、竹林もできれば一部伐採してしまいたいと考えています。これはお墓の掃除の一環ですから、誰にも相談せずに勝手に行っても大丈夫ですよね?』

お墓掃除をすると抜いた草などのゴミが出ます。このゴミに関しては墓所ごとにゴミ捨て場を用意していることがありますので、ゴミ捨て場がある場合はきちんとそちらに捨てましょう。間違ってもゴミ捨て場以外のところに捨ててはいけません。お墓には「不浄物を捨てない」「汚さない」というルールがあります。

A.「勝手に切ってしまうことは違反行為となります。」

お墓掃除の一環として、お墓の竹木を伐採したい場合も、竹木が伸びすぎて自分の家のお墓に枝葉を伸ばしている場合や日照条件が極端に悪くなっている場合も自己判断で勝手に伐採せずにまずは墓地の管理者に相談しましょう。

また、注意点として、お墓での過ごし方についてもおさえておく必要があります。

お墓は個人ならびに家族、一族のものです。お墓のある敷地は墓地の管理者から墓地用の土地として借りている土地です。借りているのだから自分の家で勝手に使っていいと思いがちです。お墓の掃除やお墓参りの時も、その墓地にお墓があるからと配慮を忘れてしまうことがあります。

お墓は個人・家族・一族のものではありますが、公共のものという側面があり、「死者に対して礼を失してはいけない」というルールがあります。お墓参りやお墓掃除の際は心がけておきたいルールです。

最後に

お墓はそれぞれの霊園の管理者や寺院の住職と相談し、お墓用の土地を借りて建てます。

確かに契約はありますから、お墓やお墓用の土地は「個人のもの」「家族で管理するもの」「一族で守るもの」という性質があります。しかし、お墓は個人や家のものでありつつも、公共のものという性質もあります。

なぜこれだけ「公共」が関わってくるかというと、それは日本においてお墓は地域にとっても大切なものであり、時に信仰の対象となり、心のよりどころでもあったからです。疫病などの衛生上の理由もあります。

お墓は色々な意味で「地域住民の生活に深く関わるもの」であり「地域住民で守るもの」でした。その性質が今日まで受け継がれているからこそ、自分のものでありながら公共のものでもあるという特殊性があります。

お墓には住宅や宅地にはない法律・マナー・ルールがあります。日本人の生活にお墓が深く関わっている以上、こうした法律やルール、マナーは知識として知っておきたいですね。

宇都宮市民葬祭

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